[成果情報名]

後期重点摘果による早生ウンシュウの高品質安定生産

[要約]粗摘果を控えるか軽く行い、樹体に強い着果負担をかけた後、9月中旬頃に仕上げ摘果を葉果比25 40程度になるように行うと、果実はやや小さくなるが成熟期まで果実への糖集積が促進され、糖度が高く、果皮色が濃く、浮皮の少ない高品位な果実が生産できる。葉果比は25程度であれば翌年も十分着花し、収量は減少しない。
[キーワード]早生ウンシュウ、着果負担、葉果比、品質、収量、炭水化物、着花
[担当]愛媛果樹試・栽培育種室
[連絡先]089-977-2100
[区分]近畿中国四国農業研究・果樹
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 消費志向に対応したウンシュウミカン品質の高位平準化が望まれている。露地栽培での増糖手段の一つに着果負担があり、仕上げ摘果の時期を遅らせると糖度の高い果実が生産されることが知られているが、適正な葉果比や隔年結果性については明らかにされていない。仕上げ摘果を遅らせて強い着果負担をかけた場合の適正な葉果比と隔年結果性との関係を明らかにするため果実品質、収量、貯蔵炭水化物含量、翌年の着花等に及ぼす影響について検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 粗摘果を控え、強い着果負担をかけた樹では8月下旬頃から9月中旬にかけて果皮に光沢ができ表面が滑らかになる。その後9月中旬に仕上げ摘果を行うと果汁の糖度は9月下旬にかけて慣行摘果に比べて高くなり、10月下旬及び収穫時には顕著に高くなる。酸含量には明らかな差は認められない。強い着果負担をかけると平均糖度が11を越え、慣行摘果に比べ食味が非常に優れる。9月下旬から10月下旬の増糖量は仕上げ摘果後の葉果比の大きい区で高くなる。果皮色は慣行摘果に比べて明らかに濃くなり、浮皮も慣行摘果に比べて少ない(表1)。
  2. 収量は慣行摘果に比べて着果負担を強くかけるとやや少なくなり、平均果実重も慣行摘果に比べて小さい。階級割合は慣行摘果に比べて2L級果が少なく2S級果が多くなる(表2)。
  3. 強い着果負担をかけ仕上げ摘果で葉果比を大きくした樹の小根の収穫後のデンプン含量はやや多いが、枝、葉のデンプンおよび糖含量に明らかな差は認められない。翌年の着花、新梢発生にも明らかな差は認められない(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 粗摘果では太枝や側枝に直接着生した果梗の大きい果実を中心に除き、その他の果実はできるだけ落とさずに樹体に着果負担をかける。
  2. 果皮表面が滑らかになり、光沢を持つまでは仕上げ摘果は控える。仕上げ摘果は立ち枝や側枝背面に着果した果梗が太く果皮の粗い果実や肥大不良の極小果を徹底的に除き、下垂気味に着果させると品質向上効果がより高くなる。

[具体的データ]

表1

表2

表3


[その他]
研究課題名ウンシュウミカンの摘果、着果負担と糖集積に関する研究
予算区分県単
研究期間2000年 2002年度
担当者名井上久雄、藤井栄一、西山富久
発表論文等1)井上・藤井・西山(2002)園学雑(別)1 園芸学会春季大会にて発表予定

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