[成果情報名]

「マスカット・オブ・アレキサンドリア」12月加温の生産安定技術

[要約]12月加温作型の「マスカット・オブ・アレキサンドリア」は、5芽で冬季せん定すると、発芽が早く、生育が旺盛となり、花穂数が増加することから増収が期待できる。収穫後には結果母枝を1芽で夏季せん定することで、樹形が維持でき、連続栽培が可能である。
[キーワード]「マスカット・オブ・アレキサンドリア」、12月加温、夏季せん定、
[担当]岡山農試・果樹研究室
[連絡先]0869-55-0276
[区分]近畿中国四国農業・果樹
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 「マスカット・オブ・アレキサンドリア」(以下アレキ)の12月加温作型では、自発休眠が十分完了していない時期に加温を開始するため、発芽が不ぞろいで、結果枝の生育が弱く、花穂の退化が多く、生産が不安定である。そこで、冬季の5芽せん定と夏季せん定を組み合わせた12月加温作型の安定生産技術を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. 12月加温開始時に5芽で冬季せん定し、収穫2週間後頃に結果母枝の1芽で夏季せん定して、発芽再生した新梢を次の12月加温時の結果母枝とする(図1)。
  2. 5芽せん定では、慣行より発芽が早く、生育が旺盛となり(図2表1)、花穂数と果房重の増加によって増収する(表1)。
  3. 夏季せん定後には、発芽促進のためにシアナミド処理(1.0%液塗布)が必要である。
  4. 夏季せん定後、再伸長した枝の花穂は摘除する。
  5. 本栽培では連続して12月加温しても安定生産が可能である。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本技術は、樹勢がやや弱く、花穂が退化傾向にある樹で効果が高く、樹勢の強い樹では適用しない。
  2. 収穫直後から7月末までに窒素成分で10g/m2 程度の速効性肥料を2~3回に分けて分施する。
  3. 夏季せん定及び夏枝管理には慣行の枝管理より労力がかかる。

[具体的データ]

図1

表1

図2

表2


[その他]
試験研究課題名環境制御技術によるアレキ極早期加温栽培の良品多収技術の確立
予算区分県単
研究期間1996~2000年度
研究担当者田村史人、村谷恵子、藤井雄一郎
発表論文等田村史人、村谷恵子、藤井雄一郎(2001)園学雑70(別2):252

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