[成果情報名]

早期加温栽培「デラウェア」の効果的な地中加温時期

[要約]早期加温栽培「デラウェア」における地中加温は、ハウス加温の10日前ころからジベレリン前期処理期ころまで行うことが、高品質果実の多収生産に有効である。
[キーワード]ブドウ、デラウェア、早期加温栽培、地中加温
[担当]島根農試・園芸部・果樹科
[連絡先]0853-22-6650
[区分]近畿中国四国農業・果樹
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 本県における「デラウェア」の作型は高収益や労力分散などの理由により、年々早まっている。12月から1月に加温を開始するブドウの早期加温栽培園では、加温当初の地温が8~10℃と低いため、根の養水分吸収が劣り、収量低下や樹勢衰弱をきたし問題となっている。この対策として、最近では早い作型において、樹勢維持・強化を目的として、温湯かん水や電熱ケーブルを用いた地中加温が行われているが、効率的な加温時期が明らかにされていない。そこで、ハウスの加温開始前から地中加温(20~28℃)を行い、地中加温の開始・終了時期と生育および収量の関係を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. ハウス加温を開始する10日前から地中加温を始めると発芽率が高くなり、発芽揃いもよくなる(図1)。
  2. ジベレリン前期処理期ころまで地中加温を行うと、新梢の生育が最もよくなり(図2)、収量も増加する(図3)。
  3. 地中加温を行うと、1房重などの果実品質が向上するが(表1)、特にジベレリン前期処理期まで行うと効果が高く、収穫期も1週間程度前進する。
  4. 以上の結果、「デラウェア」の早期加温栽培における地中加温はハウス加温開始の10日前ころから開始し、ジベレリン前期処理期ころまで行うと、発芽率が向上し、新梢の伸長もよくなり、収量も増加する。

[成果の活用面・留意点]

  1. 島根県で行われている早期加温栽培において、効果的な地中加温ができる。
  2. 地中の温度が35℃以上になると生育障害が発生する恐れがあるため、温度調節装置を設置する。
  3. ジベレリン前期処理期以後の地中加温は生育障害が発生する恐れがあるため行わない。
  4. 地中加温の範囲は幹を中心に半径1.5m以内でよい。

[具体的データ]

図1

図2

図3

表1


[その他]
研究課題名果樹の根域集中管理による環境負荷低減型施肥技術の確立
予算区分国補
研究期間2000~2004年度
研究担当者内田芳朋、山本孝司、藤本順子、安田雄治、大野泰司
発表論文等なし

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