[成果情報名]

強勢台木「Zidi」を使用したイチジクのいや地対策

[要約]イチジク「桝井ドーフィン」のいや地被害を軽減するには、ネコブセンチュウの寄生に関わらず、樹の衰弱を抑制できればよい。選抜品種「Zidi(ジディー)」はネコブセンチュウ感受性ながら強勢であるため、いや地による樹勢低下を補う効果がある。
[キーワード]イチジク、いや地、ネコブセンチュウ、強勢台木
[担当]大阪農技セ・栽培部・果樹室
[連絡先]0729-58-6551
[区分]近畿中国四国農業・果樹
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 樹勢を極端に弱らせ収量を低下させる‘いや地’は、イチジク栽培の大きな問題である。いや地はサツマイモネコブセンチュウが主因とされているが、その寄生を受けながら生育低下が認められないほ場も見受けられる。そこで、ネコブセンチュウの影響を明らかにするともに、根本的な対策として、いや地による樹勢低下を防止する台木の探索を行う。

[成果の内容・特長]

  1. いや地土壌では、加熱によってセンチュウ類の影響を除いても、イチジクの生育が抑制されること(図表略)や、その土に生息するサツマイモセンチュウ単独の場合より生育抑制の影響が強いこと(図1)から、イチジクのいや地には、サツマイモネコブセンチュウ以外にも生育を阻害する要因があると言える。そのため、いや地対策としては、センチュウ寄生の多少に関わらず、イチジクの樹勢衰弱を抑制できる台木の選抜が有効である。
  2. 「Zidi」,「Biter Abiod」,「king」の3品種は鉢植え及び試験ほ場での比較を経て選抜したイチジク品種で、何れも「桝井ドーフィン」に比べて樹勢が強く、台木として使用すると、「桝井ドーフィン」の新梢生育を促進できる。また、「king」はサツマイモネコブセンチュウの寄生を受け難いという特長を合わせ持っている(表1)。
  3. 3品種の中では、特に「Zidi」が強勢で、いや地が発症しているイチジク園でも、健全な園の自根樹に近い樹勢を確保することができる(図2)。また、台木使用が果実品質に及ぼす悪影響も少なく(表2)、「Zidi」は「桝井ドーフィン」のいや地の被害を抑制する台木として実用性が高い。

[成果の活用面・留意点]

  1. いや地による生育不良園の改植を対象に、強勢台木を使用したイチジク苗の導入を進め、その被害を軽減する。また、いや地の対策として使用される農薬や肥料の低減を図る。
  2. 強勢台木の使用によって、必要以上に結果枝が徒長する場合は、施肥を控え、樹冠を拡大させて結果枝本数を増やすなどの対応を行う。

[具体的データ]

図1

図2

表1

表2


[その他]
研究課題名果樹の樹勢回復技術の確立
予算区分府単
研究期間1995~1999年度
研究担当者細見彰洋、段正幸、加藤彰宏、内山知二
発表論文等1)細見・内山(1998) 園学雑67(1):44-50
2)細見(1998) 果樹種苗 70:22-26.
3)Hosomi et al. (2002) J. Japan. Soc. Hort. Sci. 71(2):印刷中

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