[成果情報名]

エチレン作用阻害剤1-メチルシクロプロペンによるカキ「刀根早生」促成栽培果実の軟化抑制

[要約]カキ「刀根早生」促成栽培果実の早期軟化抑制には、脱渋のための炭酸ガス処理時にエチレン作用阻害剤である1-メチルシクロプロペンの同時処理で効果がある。
[キーワード]1-メチルシクロプロペン、エチレン、カキ、鮮度保持、果実軟化、刀根早生
[担当]和歌山県農林水産総合技術センター果樹園芸試験場紀北分場
[連絡先]0736-73-2274
[区分]近畿中国四国農業試験研究・果樹、食品流通
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 渋ガキ「刀根早生」の促成栽培では収穫後に軟化果実が多発し、生産・流通段階で大きな問題となっている。エチレン作用阻害剤である1-メチルシクロプロペン(以下MCP)は、近年多くの果実で追熟や果実軟化を遅延させる効果のあることが認められている。そこで、MCP処理による果実軟化抑制効果を「刀根早生」促成栽培果実の軟化抑制技術として実用化するため、MCPの最適処理濃度を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. MCP処理により果実のエチレン生成量は無処理に比べ顕著に抑制される(図1A)。
  2. 軟化果実の発生は100ppb以上のMCP処理では無処理に比べ10日遅延するが、10ppbではMCP処理による軟化抑制効果が不十分である(図1B)。

[成果の活用面・留意点]

  1. MCP処理は、脱渋処理容器内の炭酸ガス濃度が規定値(95%以上)に達した後、ガスとして生成したMCPを目標とする処理濃度となるようにシリンジなどで容器内に注入して行う。
  2. MCPを脱渋のための炭酸ガス処理と同時に処理しても、果実の渋味消失には影響しない。
  3. 露地栽培の「刀根早生」果実でも同様の果実軟化抑制効果がある。
  4. MCPの国内における農薬登録、食品への使用許可、人体および環境に対する安全性試験は行われていない。

[具体的データ]

図1


[その他]
研究課題名ハウス「刀根早生」の軟化防止対策
予算区分県単
研究期間2000年
研究担当者播磨真志、山内 勧
発表論文等播磨ら(2001)園学雑70別2:469

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