[成果情報名]

夏咲き小ギクの定植前摘芯栽培におけるエテホンによる開花調節技術

[要約]7~8月咲き小ギクの定植前摘芯栽培における定植期頃(セルトレイ)と定植2週間後のエテホン2回処理は、慣行の定植後2回処理よりも省力かつ低コストで、開花遅延効果が期待できる。
[キーワード]7~8月咲き小ギク、定植前摘芯、セルトレイ育苗、エテホン定植前処理、開花遅延効果
[担当]滋賀農総セ・農試・湖北分場
[連絡先]0749-82-2079
[区分]近畿中国四国農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 7~8月咲き小ギクの定植前摘芯栽培における12品種の切り花時期の拡大を図るため、密閉挿しセルトレイ苗のエテホン処理による省力的かつ低コストな開花遅延技術を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. 夏咲き小ギク12品種の開花時期は気象等の影響によって年次変動が大きい(図1)。
  2. 挿し芽はセルトレイを用いて3月下旬に行い、4月中旬に摘心して、4月下旬に定植する。エテホン処理は、定植期頃のセルトレイと、定植2週間後本ぽの2回行う。エテホンの処理濃度は200ppmとし、1回目は株当たり0.6ml (90ml/144穴発泡スチロール製セルトレイ)、2回目は株当たり3ml を噴霧処理する。
  3. 定植前のセルトレイ育苗期での一括した摘心とエテホン処理は省力的かつ低コストで、処理むらが少なく均一に処理できる。
  4. 定植前と定植2週間後のエテホン2回処理によって、「夕霧」と「あさつゆ」が14~18日、「美風」が12~13日、「くれない」が9~10日、「広島紅」が9~11日、「シンデレラ」が7~12日、「国の宝」が7~11日の開花遅延効果があり、採花時期の拡大が図れる(図1)。
  5. エテホン2回処理による開花遅延効果は品種間差があり、「田岡桃」、「とも子」、「花秀美」、「小鈴」および「山手白」の開花遅延効果は1週間前後である(図1)。
  6. エテホン処理を行うと初期生育が抑制されるが、採花時での草丈は無処理区と同等になる(2年間の本当たり平均切り花長・切り花重:無処理区81.2cm・54.9g、エテホン処理区80.0cm・53.8g)。切り花形質では、エテホン処理区は、無処理区と比べ、節数が増加し、茎径がやや肥大する傾向があるが、その他の切り花形質への影響はみられない。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本2回処理法は、定植後の2回処理法と比較して、開花遅延日数がやや短い。
  2. 本技術は、春先低温で晩霜等により定植時期が遅れる地域で利用できる。
  3. 盆前出荷を目的とする場合は、「あさつゆ」および「山手白」ではエテホン処理を行わない方がよい。

[具体的データ]

図1


[その他]
研究課題名小ギク品種比較試験-エテホン処理における開花調節-
予算区分県 単
研究期間1999~2000年度
研究担当者寺本憲之
発表論文等寺本憲之(2001)夏咲き小ギクの定植前を組み入れたエテホン2回処理による開花調節、滋賀農水主要試研成果、9、27-28.

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