[成果情報名]

同化枝を併用した切り上げ仕立てによるバラの増収技術

[要約]ロックウール耕による切り花バラ生産において、同化枝を折り曲げた後に発生するベーサルシュートの最下位の5枚葉を1枚残して切り上げる。以後は5枚葉を残して収穫し、樹高が高くなると切り戻しを繰り返すことにより切り花本数が増加する。
[キーワード]バラ、ロックウール耕、同化枝、5枚葉、切り上げ
[担当]広島農技セ・園芸研究部
[連絡先]0824-29-0521
[区分]近畿中国四国農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 バラのロックウ-ル栽培では、緑枝を同化枝として折り曲げる仕立て法が広く普及している。このような仕立て法では、長大な切り花を収穫できるのが特徴であるが、収穫本数が少ない。また、業務用需要の低迷により、切り花バラの単価は毎年下落している。そこで、収穫本数増加のための仕立て法を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. ミニプランツをロックウールスラブに定植後、同化枝を折り曲げてベーサルシュートの発生を促す。収穫は、ベーサルシュートの最下位の5枚葉を1枚残して行い、母枝として残す。以後は、母枝の腋芽から発生するシュートの最下位の5枚葉を1枚だけ残して収穫することを繰り返す(図1)。
  2. 収穫を繰り返すごとに樹高が高くなり、芽摘みの作業性が悪化するような樹高になると、最後の収穫はフック切りで行う。そのときに、最初の母枝の先端部まで切り戻す。いつの時期に切り戻しを行っても、母枝の枯れ込みは生じない。
  3. 上記の仕立て法(以下、切り上げ仕立て)を3年間にわたり繰り返すと、「ローテローゼ」の1株当たりの1年間の切り花本数は年ごとに増加し、ハイラック仕立てよりも多い(図2)。また、「ノブレス」でも同様である(データ省略)。これは、5枚葉の節だけでなく、それより下の3枚葉の節からも花茎が発生したためである。収穫開始1年目の切り花本数は35本、2年目では45本、3年目では52本である。収穫開始3年目の切り花本数は、ハイラック仕立ての32本よりも61%増加する。
  4. 切り上げ仕立てにおける40~69cmの長さの切り花本数の割合は、収穫年次が異なっても、収穫した切り花の約50%である。
  5. 切り花長および切り花重は、切り上げ仕立てがハイラック仕立てに比べて小さい(表1)。しかし、切り花重を切り花長で割った値は、いずれも0.5程度で大きな差はなく、切り上げ仕立ての切り花のボリューム不足は認められない。また、節数は切り上げ仕立てがハイラック仕立てに比べて少ないが、5枚葉より下の節なので、切り花品質には影響しない。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本成果はハイブリッドティー系の品種を用いた結果であり、他系統の品種では結果が異なることが予想される。
  2. 切り花本数が増加するため、長い切り花を業務用へ、短い切り花を家庭消費用へ販売するなどにより販路の拡大が期待できる。
  3. 40cm未満の短い出荷規格に満たない切り花が発生した場合には、摘蕾後に同化枝として発生基部から折り曲げる。
  4. 柳葉を残して収穫すると、切り上げ仕立てに比べて切り花本数は減少する。

[具体的データ]

図1

図2

表1


[その他]
研究課題名有望花きによる企業的経営体を育成する周年就業体型の確立
予算区分県単
研究期間1997~2000年度
研究担当者梶原真二、勝谷範敏
発表論文等なし

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