[成果情報名]

平張型傾斜ハウス利用によるトマト・スイートピーの連続栽培

[要約]山間傾斜地域の傾斜畑では、平張型傾斜ハウスを利用して適切に温度を調節することにより、夏秋期のトマトおよび冬春期のスイートピーが連続して栽培できる。傾斜地に対応した養液土耕システムにより、養水分の管理が斉一化できる。
[キーワード]傾斜畑、傾斜ハウス、養液土耕、トマト、スイートピー
[担当]近中四農研・総合研究部・総合研究第3チーム
[連絡先]0877-63-8116
[区分]近畿中国四国農業・花き、共通基盤・総合研究
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 四国山間傾斜地域における野菜・花き生産は、圃場が小区画、不整形で傾斜しているため、栽培施設や装置の開発が遅れ、生産や品質が不安定である。また、夏秋期の1作が主で冬春作が導入されていない。そこで、強化構造を有した低コストハウスおよびその環境調節技術を開発し、野菜・花きの周年生産システムを確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. 山間地域の小区画・不整形な傾斜畑における野菜・花きの周年生産では、足場用汎用資材を主骨材とした、高軒高・強化構造の低コスト平張型傾斜ハウスを使用する(図1)。
  2. 平張型傾斜ハウスは軒高が高く、側窓面積が広いため換気性が優れ、高温期は側窓の開放によりすみやかに降温させることができる(図2)。低温期は二重張りと温風加温により、ハウス内温度が適切に調節できる(図省略)。
  3. 傾斜方向畦または等高線方向畝における養水分の管理は、灌水チューブから養液が均一に排出される傾斜地に対応した養液土耕システムを使用する(図3)。
  4. 山間傾斜地域の野菜・花き生産では、平張型傾斜ハウスを利用した夏秋期のトマトおよび冬春期のスイートピーによる連続栽培が適用できる(図4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 平張型傾斜ハウスは近中四農研のハウス施工マニュアルに従って設置する。
  2. 温風による加温ではダクトを傾斜下方および側方に配置する。
  3. スイートピーの立毛間播種では播種直後、十分灌水する。
  4. 南面した圃場でスイートピーを相互遮蔽を回避して栽培するには、等高線方向(東西)畦では1条植え、傾斜方向(南北)畝では2条植えが適している。
  5. スイートピーの栽培面積は夫婦2人で約10アールを基準とする。

[具体的データ]

図1

図2

図3

図4


[その他]
研究課題名環境保全的省エネ型栽培システムの体系化
予算区分傾斜地野菜・花き
研究期間1999~2001年度
研究担当者野中瑞生、川嶋浩樹、長崎裕司、的場和弘
発表論文等1)長崎ら、(2001)、機械化農業(10):18-23
2)Kawashima, H. et al. (2000) Proc. of the Int. Agri. Engi. Conf. :272-276
3)川嶋ら、(2000)、農業生産技術管理学会(7):37-38

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