[成果情報名]

気温(昼夜温)がトルコギキョウの葉先枯れ症発生に及ぼす影響

[要約]トルコギキョウの葉先枯れ症は、昼間、夜間気温に影響を受け、昼温40℃、夜温30℃あるいは20℃で著しく発生し、昼温35℃で夜温25℃以下では発生しない。ただし、「マイテレディ」では昼温35℃、夜温20℃でも発生がみられる。
[キーワード]トルコギキョウ、品種、葉先枯れ症、昼間気温、夜間気温
[担当]広島農技セ・環境研究部、園芸研究部
[連絡先]0824-29-0521
[区分]近畿中国四国農業・花き、生産環境(土壌・土木・気象)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 ハウス栽培におけるトルコギキョウの葉先枯れ症は、広島県において6、7月の高温時期に頻発している。そこで、適切なハウス内の気温管理指針作成のため、昼間、夜間気温を変えてトルコギキョウの葉先枯れ症発生に及ぼす影響について検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 葉先枯れ症の発生は、「マイテレディ」(以下Mと略記)で40/20(昼間気温/夜間気温(℃))≧40/30>40/25=35/20の順に多く、35/25、25/20では発生しない。「ポーラスホワイト」(以下Pと略記)では40/30、40/20にみられるがその他の温度処理では発生しない。これらの結果から、葉先枯れ発生には品種間差がみられMはPに比べて発生しやすい。また、昼温が高いほど発生しやすく、夜温が25℃付近の発生が少ない(表1)。
  2. 乾物当たりのCa含有率は、Mの未展開葉を含む先端部で比較すると35/25で最も高く、昼温と夜温が低下するほど、昼温が高温で夜温が高いほど低下する。どの気温処理でもMでPより低く、昼温が高温で夜温が高くなるほどその差は縮小する(図1)。
  3. 草丈は、Mで35/25≧40/25≧35/20≧40/30>40/20>25/20の順に伸長する推移を示す。展開葉数も同様である。Pも草丈、展開葉数で同様の傾向を示す(データ省略)。
  4. 葉先枯れ症の初発7日(処理19日)後の乾物重は、Mで35/25>35/20≧40/30≧40/25>40/20≧25/20の順に大きい(図2)。Pも同様の傾向を示す(データ省略)。乾物重が昼温35℃、夜温25℃で最も大きい主な要因は、根、茎の重量が昼温40℃の場合より大きいためである(図2)。
  5. T(地上部)/R(根)比は、両品種とも35/25、25/20で小さく、昼温が40℃で大きい。また、乾物率は、両品種とも35/25に比べて40/20で小さい(表2)。
  6. 以上の結果から、トルコギキョウの葉先枯れ症の発生程度が高温処理で増加する主な要因は、先端部のCa含有率の低下と考えられるが、乾物率の低下やT/R比の増加も密接に関与していると推察される。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本研究の処理時期は、トルコギキョウの草丈7cmから葉先枯れ発生時(草丈20~30cm)であり、また、土壌の湿潤条件下(pF1.6以下)のデータであることを考慮する必要がある。

[具体的データ]

表1

図1

図2

表2


[その他]
研究課題名多様な気象資源を活用した宿根性花きのリレー出荷作型体系の確立
予算区分県単
研究期間1999~2003年度
研究担当者伊藤純樹、宮地勝正、福島啓吾、藤原朋子、延安弘行、梶原真二
発表論文等なし

目次へ戻る