[成果情報名]

RT-PCRを利用したトバモウイルスの識別

[要約]特異的プライマーを用いたRT-PCRによって、タバコモザイクウイルス、タバコマイルドグリーンモザイクウイルス、トマトモザイクウイルス、ペッパーマイルドモトルウイルスの4種の識別と、ペッパーマイルドモトルウイルスの病原型識別が可能である。
[キーワード]トバモウイルス、RT-PCR、病原型
[担当]高知県農業技術センター・生産環境部・病理科
[連絡先]088-863-4915
[区分]近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 ピーマン、シシトウガラシには、タバコモザイクウイルス(TMV)、タバコマイルドグリーンモザイクウイルス(TMGMV)、ペッパーマイルドモトルウイルス(PMMoV)の3種トバモウイルスが発生し、収量や品質の低下をもたらしている。これらのウイルスを防除する目的で、抵抗性品種を用いる際には、圃場に発生するウイルスの種類を明らかにする必要がある。これまで、ウイルスの種や病原型の識別は、判別宿主への接種試験と血清試験を併用して行われてきたが、結果を得るまでに多くの労力と時間を要するため、大量検定が困難であった。
 そこで、ウイルスの種や病原型を決定する遺伝子領域に着目し、トマトモザイクウイルス(ToMV)を含めた4種トバモウイルスをRT-PCRによって省力的で迅速に識別する手法を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 予めトバモウイルスに対する抗体を吸着させたPCRチューブに病葉磨砕液を入れ、抗原抗体反応によってウイルスを特異的に捕捉させたうえ、熱処理を行って核酸を抽出し、ランダムプライマーを用いた逆転写反応と各ウイルスの特異検出プライマーを用いたPCRを行うことで、ウイルスの種を識別できる。さらに、PMMoVであると判断された場合は、PCR産物を終末濃度で0.01pg/μLとなるように希釈して鋳型DNAとし、病原型識別プライマーを用いたPCRを行って病原型を識別できる(表1図1図2図3)。
  2. 本法では判別植物への接種試験で識別が困難なTMV、TMGMVおよびPMMoVの3種ウイルスの重複感染を明確に識別検出できる。

[成果の活用面・留意点]

  1. ピーマン、シシトウガラシに発生するトバモウイルスの種と病原型の迅速識別が可能となり、適切な抵抗性品種の選定が図られる。
  2. PMMoVの病原型識別PCRでは、アニーリング温度が低い場合に非特異的なDNAの増幅が起こるため、アニーリング温度を必ず60℃に設定する。

[具体的データ]

表1

図1

図2

図3


[その他]
研究課題名PCR法を活用した植物病原体の検出及び識別の効率化
予算区分県単
研究期間1999~2000年度
研究担当者竹内繁治
発表論文等竹内ら(2000)日植病報66(2):158-159(講要)

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