[成果情報名]

エンドウつる枯細菌病菌の保菌種子に対する乾熱消毒法

[要約]エンドウつる枯細菌病保菌種子に対して、次亜塩素酸ナトリウム液の浸漬処理に比べ、乾熱処理は殺菌効果が高い。55℃1~2日の乾熱処理による種子消毒は種子発芽に対する影響が少なく、殺菌効果が優れる。
[キーワード]エンドウつる枯細菌病、乾熱種子消毒、殺菌効果
[担当]和歌山県農林水産総合技術センター農業試験場・病虫部
[連絡先]0736-64-2300
[区分]近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 エンドウつる枯細菌病は種子伝染性の重要病害である。本病の防除には健全種子の確保と共に、有効な種子消毒法が求められている。そこで、エンドウつる枯細菌病の汚染種子を作成し、従来有効とされている次亜塩素酸ナトリウムによる消毒、および乾熱処理による殺菌効果を比較検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. 有効塩素1%の次亜塩素酸ナトリウム液への種子浸漬によるつる枯細菌病菌に対する殺菌効果は低く、生菌率(処理菌数/無処理菌数)は10-1 レベルである(表1)。また、このことは、病原菌が種子内部まで侵入していることを示す。
  2. 乾熱処理によるつる枯細菌病菌に対する種子消毒効果は高く、生菌率は50℃2日~5日および55℃1~5日、60℃1日で10-4レベル以下の高い殺菌力を示す(表2)。
    しかし、60℃処理では発芽勢が著しく低下する。
  3. 以上より、エンドウつる枯細菌病に対する種子消毒は、従来、第一次感染を85~90%減少させるとされる次亜塩素酸ナトリウムによる消毒に比べ、乾熱処理の効果が高く、発芽への影響、処理時間、効果などから55℃1~2日の条件が適すると考えられる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 種子の乾熱消毒は効果が高いことに加え、薬剤を使わないことから廃液処理の問題が生じず、また有機農業へ適用できるなど環境面での利点も多い。
  2. つる枯細菌病は0.1%以下の保菌率でも圃場全体に広がるとされており、乾熱消毒は相対的に効果は高いが、高度の汚染種子での使用は難しいと考えられ、採種圃で発病がほとんど認められないことが条件となる。

[具体的データ]

表1

表2


[その他]
研究課題名エンドウの難防除病害の総合対策
予算区分県単
研究期間2001~2003年度
研究担当者増田吉彦
発表論文等

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