[成果情報名]

薬剤耐性コリネスポラ菌(トマト褐色輪紋病菌、キュウリ褐斑病菌)に対する予防薬剤

[要約]トマト褐色輪紋病菌、キュウリ褐斑病菌にはチオファネートメチル水和剤に対する耐性菌が高い割合で存在しており、キュウリ褐斑病菌ではチオファネートメチル水和剤、ジエトフェンカルブ水和剤に対する両剤耐性菌の存在が認められた。これらの耐性菌にはポリカーバメート水和剤などの予防散布が有効である。
[キーワード]コリネスポラ菌、チオファネートメチル水和剤、ジエトフェンカルブ水和剤、薬剤耐性菌、予防薬剤
[担当]岡山県農業総合センター・農業試験場・病虫研究室
[連絡先]0869-55-0271(内線240)
[区分]近畿中国四国農業・生産環境
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 岡山県内のトマト褐色輪紋病菌、キュウリ褐斑病菌のチオファネートメチル水和剤、ジエトフェンカルブ水和剤に対する薬剤感受性を知るとともに、それらに対する有効薬剤を選抜する。

[成果の内容・特徴]

  1. チオファネートメチル水和剤(TM剤)に対する薬剤感受性検定の結果、トマト褐色輪紋病菌では70%の菌株が、キュウリ褐斑病菌では97%の菌株が耐性菌と判断された。
  2. トマト褐色輪紋病菌のTM剤耐性菌株率は圃場間で10~100%と差が見られたが、全ての圃場で耐性菌が確認された(表1)。
  3. キュウリ褐斑病菌のTM剤耐性菌株率はほとんどの圃場において90%以上であった。約15%の菌株がジエトフェンカルブ水和剤に対しても耐性であり、両剤耐性菌と判断された。両剤耐性菌は久米南町の1圃場、建部町の5圃場、北房町の2圃場で確認された(表2)。
  4. トマト苗を用いて薬剤散布後に褐色輪紋病菌のTM剤耐性菌と感性菌を接種した結果、いずれの菌に対してもポリカーバメート水和剤、マンゼブ水和剤、スルフェン酸系水和剤、TPN水和剤、プロシミドン水和剤、ジエトフェンカルブ・チオファネートメチル水和剤は、高い防除効果が認められた(表3)。また、TM剤は感性菌には高い防除効果を示したが、耐性菌にはほとんど効果が認められなかった。
  5. キュウリ苗を用いてトマトと同様に褐斑病菌のTM剤の耐性菌を接種した結果、トマトと同様の薬剤に高い防除効果が認められた。

     以上の結果、トマト褐色輪紋病菌とキュウリ褐斑病菌のチオファネートメチル水和剤耐性菌にはポリカーバメート水和剤、TPN水和剤など数種薬剤が有効である。

[成果の活用面・留意点]

  1. 有効薬剤の多くが予防剤であり、発生初期からの早めの散布が必要である。

[具体的データ]

表1

表2

表3


[その他]
試験研究課題薬剤耐性菌発達防止技術
予算区分国補(発生予察)
研究期間2000年度
研究担当者伊達 寬敬、片岡 英子、粕山 新二
発表論文等2001年日本病理学会関西部会

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