[成果情報名]

2種ツヤコバチの利用による促成栽培トマトのコナジラミ類の防除

[要約]促成栽培トマトに発生するコナジラミ類の防除に天敵昆虫を利用する場合、秋期にオンシツツヤコバチを、春期にサバクツヤコバチを放飼すれば高い密度抑制効果が期待できる。
[キーワード]促成栽培トマト、オンシツツヤコバチ、サバクツヤコバチ、コナジラミ類
[担当]徳島県立農林水産総合技術センター農業研究所・病害虫担当
[連絡先]0883-24-2217
[区分]近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 近年、県内の施設栽培トマトの生産現場ではコナジラミ類(以下、害虫という。)の防除に天敵昆虫オンシツツヤコバチ(以下、天敵という。)の利用が徐々に増加してきている。 促成栽培トマトにおいて天敵を利用する場合、秋期のトマト定植後に放飼し、冬期に害虫に対して殺虫効果が高く天敵に影響の少ない殺虫剤を処理すれば、春期以降も天敵の活動により、害虫密度は増加しない。しかし、秋期の天敵定着が悪くなると春期以降の天敵発生も少なくなることがあり、この場合春期に追加放飼が必要となる。
 そこで、追加放飼する天敵昆虫に高温耐性が強いといわれているサバクツヤコバチを利用し、2種の放飼による防除効果を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. オンシツツヤコバチとサバクツヤコバチの春期以降のオンシツコナジラミに対する寄生程度を比較した場合、ビニルハウス内の気温が高くなるほどオンシツツヤコバチの寄生率は低くなるが、サバクツヤコバチは高くなる(図1)。
  2. 秋期のトマト定植後にオンシツツヤコバチを、春期にサバクツヤコバチを放飼すると、オンシツツヤコバチを同時期に放飼するよりもオンシツコナジラミ、シルバーリーフコナジラミに対して密度抑制効果は高く(図2)、果実に対するすす病、着色異常の発生も少ない(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. サバクツヤコバチは現在農薬登録されていない。
  2. オンシツツヤコバチ、サバクツヤコバチは10a当たり50枚のマミーカードを1週間間隔で4回設置することを標準の放飼量とする。

[具体的データ]

図1

図2

図3

表1


[その他]
研究課題名施設トマトにおける天敵寄生蜂・微生物等を用いたシルバーリーフコナジラミの生物的防除
予算区分国補(多角的防除)
研究期間1998~2000年度
研究担当者中野昭雄、原田正剛
発表論文等中野昭雄(2001)第11回天敵利用研究会高知大会講要P.5

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