[成果情報名]

肥効調節型肥料の利用による長期穫り露地ナスの環境保全型施肥法

[要約]露地ナス栽培において肥効調節型肥料を用いることにより、慣行施肥量(10a当たりの窒素施肥量100kg)の30%減肥(10a当たり窒素施肥量70kg基肥1回施用)で慣行と比べ窒素利用率が向上し、同等の収量が得られる。
[キーワード]肥効調節型肥料、減肥、露地ナス
[担当] 京都農総研・環境部
[連絡先]0771-22-6494
[区分]近畿中国四国農業・生産環境(土壌・土木・気象)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 京都府における露地ナスは、京田辺市をはじめ府南部を中心に特産野菜として定着している。露地ナス栽培は早熟栽培であるから収穫期間が長く、高収益をもたらしてきたが、反面栽培期間が長いため肥料切れを懸念して多量施肥が常態化しており、環境負荷の増大が懸念される。そこで、露地ナス栽培における環境負荷の実態を把握するとともに、肥効調節型肥料を利用する施肥改善により環境保全型施肥法を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. ナス果実(上果)の年間(1作)収量は表1に示すとおりである。10a当たり窒素施肥量50kg(50%減肥)及び70kg(30%減肥)では、窒素利用率の向上により慣行の窒素施肥量100kgと同等の収量が得られる。
  2. 同様に、140日タイプ(NKロング140)と180日タイプ(NKロング180)の肥効調節型肥料を比較すると、後者の方が収量の増加や後期の肥効の持続に有効である(表1図1)。
  3. NKロング180の10a当たり窒素量70kg施用は、同肥料の窒素量50kg施用やNKロング140の窒素量70、50kg施用に比べて、深さ30cmにおける土壌溶液中の硝酸性窒素濃度が9月中旬まで50ppm程度を維持しており肥料切れは遅く(図1))、9月以降におけるナス果実(上果)中の窒素含有率も他の減肥法より高く推移している(図2)。従って、ナスの施肥改善については、NKロング180を利用した窒素30%減肥栽培がよいと判断される。
  4. 肥効調節型肥料による施肥法では、地下水への溶脱の目安となる深さ70cmにおける土壌溶液中の硝酸性窒素濃度は窒素施肥量が50kg、70kg、100kg/10aのいずれにおいても0~3.3ppmの範囲にあり、環境基準の10ppm以下である(図3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本施肥法は5月上旬定植、6月下旬~11月上旬収穫の夏秋ナス栽培に適用する。
  2. 夏期に高温が続きナスの生育が旺盛な年には9月以降に肥料が不足する可能性がある。そのような気象年の場合には、8月中旬頃に溶出日数の短い被覆複合肥料の追肥(40日タイプ10kg程度)が必要となる。

[具体的データ]

表1

図1

図2

図3


[その他]
研究課題名露地ナスの栽培法による環境負荷の比較解明と効率的な施肥管理法の確立
予算区分受託
研究期間1997~2001年度
研究担当者高橋克征、松本次郎、赤堀伸
発表論文等1)平成13年度試験研究成績報告会報告要旨(2002)京都府農業総合研究所.
2)平成9年度~12年度農業環境収支適正化確立事業関係資料集(1998~2001)財団法人日本農業研究所.

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