[成果情報名]

硫酸マンガンの果房浸漬処理によるブドウ‘ピオーネ’の「房枯れ症」発生軽減

[要約]ブドウ‘ピオーネ’の房枯れ症はマンガン欠乏に伴う生理障害である。1回目のジベレリン処理時に硫酸マンガンを0.5%(w/v)濃度となるよう添加し、果房浸漬処理することで房枯れ症の発生を軽減できる。
[キーワード]ブドウ、ピオーネ、房枯れ症、硫酸マンガン、果房浸漬
[担当]岡山農総セ・農業試験場・化学研究室
[連絡先]0869-55-0532
[区分]近畿中四国農業・生産環境(土壌・土木・気象)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 ブドウ‘ピオーネ’の房枯れ症は、近年栽培現地で多発傾向にある生理障害であるが、発生防止技術は明らかにされていない。その発生要因と対策を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 房枯れ症発生樹の葉中マンガン含有率及び葉柄汁液中マンガン濃度は、房枯れ症が発生しなかった樹に比べて、開花期の時点ですでに低い傾向にある(図1)。
  2. 房枯れ症が多発する樹に対して、ジベレリン処理時に硫酸マンガンを0.5%(w/v)濃度となるように添加し、果房浸漬処理することで、房枯れ症発生房率は軽減する(図2)。
  3. ジベレリン1回目処理時に硫酸マンガンを添加した場合、果実へのマンガンの取り込みは2回目処理時に添加した場合に比べてやや劣るが、果粉の溶脱は少ない(表1)。外観を重視した場合、1回目のジベレリン処理時に硫酸マンガンを混用した方が実用的である。

[成果の活用面・留意点]

  1. 1回目のジベレリン処理時に添加した場合は、果房へのマンガンの取り込みがやや劣るため、多発年次には軽減効果の低下が懸念される。
  2. 果房浸漬処理のみで発生は軽減した(2000年)が、葉脈間の明らかなクロロシスがみられる場合などは葉面散布を併用する。しかし、0.5%(w/v)硫酸マンガン水溶液を葉面散布した場合、葉に薬害が発生した(1999年)ことから、これよりも低い濃度とすることが望ましい。
  3. 本技術は房枯れ症に対する対症療法的な技術である。総合的な対策として、着果量を適正にすること、深耕等により細根を確保すること、土壌pHを適正に保つことが重要である。

[具体的データ]

図1

図2

表1


[その他]
研究課題名ピオーネ房枯れ症防止対策の確立
予算区分県単
研究期間1998~2000年度
研究担当者大家理哉、水島栄治、難波和彦、尾頃敦郎、小野俊朗、木村剛、有吉俊明、土井智津子
発表論文等落葉果樹研究会(2001)栽培・土壌肥料分科会資料(pp91-94)

目次へ戻る