[成果情報名]

養液土耕栽培によるキュウリ(抑制栽培)の施肥量低減

[要約]養液土耕(灌水同時施肥)栽培法を用いることにより、土壌中の無機態窒素量は低レベルで推移し、収量、品質を低下させることなく、窒素施肥量を慣行施肥の5割程度まで低減できる。また、キュウリの窒素吸収量とほぼ同量で栽培が可能である。
[キーワード]キュウリ、抑制栽培、養液土耕、灌水同時施肥、施肥量低減、養分吸収量
[担当]高知農技セ・環境システム開発室
[連絡先]088-863-4917
[区分]近畿中国四国農業・生産環境(土壌・土木・気象)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 キュウリ栽培では、養分吸収量に比べ施肥量が多く、連作による養分集積や環境への負荷が懸念されている。作物の生育に合わせて必要な養分を灌水と同時に供給できる養液土耕栽培は、効率的な施肥が可能とされ、環境負荷軽減と併せて増収も期待できる。
 そこで、抑制栽培(9~12月)において、養液土耕栽培を用いた施肥量の低減を図る。

[成果の内容・特徴]

  1. 養液土耕栽培では、収量、品質を低下させることなく、窒素施肥量を慣行施肥の5割程度まで低減でき、キュウリの窒素吸収量とほぼ同量で栽培が可能である(表1図2)。
  2. 養液土耕栽培における灌水量は、1日当たり0.9~1.5L/株とし、施肥窒素濃度は、灌水量の変化に対応させ、450~110ppmとする(表2)。
  3. 養液土耕栽培で施肥量を低減すると、土壌中の無機態窒素量は栽培期間を通じて低レベルで安定して推移する(図1)。
  4. 養液土耕栽培における施肥設計は、栽培期間と目標収量および窒素吸収量(果実1tを得るのに10a当たり窒素は3.4kg程度吸収)を基に行い、目標収量に窒素吸収量を乗じたものを基準施肥量とする(表1図2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 養液土耕栽培に当たっては、地力を維持するため良質堆肥等の施用による土づくりを行う。
  2. 施肥設計は、作付け前の土壌診断結果を考慮して行い、養分欠乏を招かないため他の養分吸収量(果実1tを得るのに10a当たりリン酸は2.2kg程度、加里は4.6kg程度吸収)に留意する。
  3. 葉柄の汁液や土壌溶液の簡易診断を併用するとともに、灌水量、回数を天候および生育に合わせて変化させることにより生産の安定と環境負荷の軽減につながる。
  4. 適用範囲は、水田等の粘質土壌におけるキュウリの抑制栽培地帯とする。

[具体的データ]

表1

表2

図1

図2


[その他]
研究課題名キュウリの養液土耕栽培による養水分管理および総合的病害虫管理技術の確立
予算区分県単
研究期間1998~2000年度
研究担当者恒石義一

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