[成果情報名]

農地区画現況GIS情報の簡便な作成手法

[要約]密着焼付した空中写真のラスター画像を用いて作成した正射投影変換画像の位置精度は解析図化機で作成した農地区画データと同程度である。この正射投影変換画像から、地理情報システムの農地区画現況情報を作成することが出来る。
[キーワード]農地区画現況情報、GIS、空中写真、正射投影変換
[担当]近中四農研・傾斜地基盤部・地域防災研究室
[連絡先]0877-63-8120
[区分]近畿中国四国農業・生産環境(土壌・土木・気象)近畿中国四国農業・情報研究
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 コンピュータの価格性能比の向上等により、集落単位での詳細土地利用計画の策定などの土地情報の管理・解析作業に地理情報システム(GIS)を活用することが容易になりつつある。しかし、農地に関わる基本的な情報の一つである農地区画現況情報は土地利用現況と共に経年的に変化するものであり、農村空間におけるGISの実利用化に当たっては農地区画現況情報を簡便に構築し、かつ更新する手法の開発が必要である。
 そこで、本研究では空中写真を基に、デジタル写真解析手法によって中山間傾斜農村においても農地区画現況情報が簡便に作成可能なことを明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 通常の空中写真(航測用カメラ使用)をラスター(デジタル)化した画像からデジタル写真解析手法を用いて作成した正射投影変換画像(地形に起因する画像の歪みを除去した上で地図座標を付加した画像)は、地形的な変化(標高差)の大きい中山間傾斜農村を作業対象とした場合でも概ね正確な地図座標を持つ(図1図2)。
  2. フィルム上の縮尺約1/16,000の空中写真から作成した解像度1m程度の正射投影変換画像によって、中山間傾斜農村の棚田や段畑、傾斜畑の農地区画は概ね正確に判読することが出来る。正射投影変換画像のみでは正確に区画の判断が出来ない農地についても、正射投影変換画像からの農地区画の判読作業と作業に用いた空中写真による確認作業を併用することによって正確に農地区画を判読することが出来る。なお、解像度1m程度の画像はフィルム上の縮尺約1/16,000の空中写真(密着焼付)を400DPI程度でスキャナ読み込みして作成することが出来る。
  3. 公共測量に当該しない農地区画区分線等の作成であれば、通常の空中写真から作成した正射投影変換画像を用いて農地区画現況のGISデータの作成が出来る。

[成果の活用面・留意点]

  1. 正射投影変換画像の作成には、市販のソフトウエアを用いる。
  2. 中版カメラで撮影した空中写真(ヘリコプターをプラットフォームとして斜め方向に撮影、非航測用カメラ使用)から正射投影変換画像を作成した場合には、撮影に使用したレンズ等に起因する比較的大きな地図座標上の誤差を持つ。

[具体的データ]

図1

図2


[その他]
研究課題名中山間地域における地盤情報の調査・解析手法の開発
予算区分交付金
研究期間1996~2001年度
研究担当者吉迫宏・川本治・島崎昌彦・中尾誠司
発表論文等1)吉迫(2000)第55回農業土木学会中国四国支部講演会講演要旨:134-136
2)吉迫(1997)'97日本ARC/INFOユーザ会・日本ERDASユーザ会予稿集:127-133

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