[成果情報名]

選択型コンジョイント分析による大規模畦畔管理技術の改善目標

[要約]マルチ被覆と地被植物植栽を組み合わせた大規模畦畔管理技術において、今後、定植後の除草が不要となる技術に改善する場合、定植資材費が5,652円/a未満の増加あるいは定植労働時間が1.9時間/a未満の増加であれば農家効用は向上する。
[キーワード]コンジョイント分析、大規模畦畔管理、改善目標
[担当]広島農技セ・企画情報部、作物研究部
[連絡先]0824-29-0521
[区分]近畿中国四国農業・農業経営、作物生産(育種・栽培)
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 マルチ被覆と地被植物植栽を組み合わせた大規模畦畔管理技術は、急傾斜地域における圃場整備水田を対象に普及しつつある。しかし、本技術は収益増加を伴わないため、従来の評価方法では妥当な改善目標を示せない。そこで、農家の効用(満足度)向上を目的とした技術の改善目標を、選択型コンジョイント分析によって明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 大規模畦畔管理技術を、表1に示す4属性をもつ商品と見立てる。各属性に4水準あるいは3水準を設け(表1)、それらを組み合わせた仮想的な技術を2つずつ提示し、いずれを選択するか、あるいはどちらも選択しないかを質問した。これを1農家当たり16問繰り返した。調査対象は現地実証試験地域において作業を経験し、かつ今後の導入意向が確認された農家9名である。この地域では、地被植物の育苗と定植作業を共同で実施している。本調査でも、これらの共同作業を実施することを前提とする。
  2. 各属性について技術改善する場合、定植資材費あるいは定植作業時間が増加してもよい上限値を表2に示す。例えば、定植作業時間が1時間/a減少する技術の場合、定植資材費が2,975円/a未満の増加であれば農家効用は向上する。また、定植資材費が1千円減少する技術の場合、定植作業時間が0.34時間/a未満の増加であれば農家効用は向上する(表2)。
  3. 定植後の除草が不要となる技術に改善する場合、図1に示す「効用向上領域」内で定植作業時間と定植資材費を増加させるのであれば農家効用は向上する。

[成果の活用面・留意点]

  1. 今後、大規模畦畔管理技術を改善する上での参考となる。
  2. 本分析は、育苗と定植作業が共同実施されている地域を対象として行ったものであることに留意する必要がある。

[具体的データ]

表1

表2

図1


[その他]
研究課題名中山間地域における畦畔・大型法面の維持、保全および景観形成技術の確立と多面的評価
予算区分国補(新技術地域実用化研究)
研究期間1999~2001年度
研究担当者諌山俊之、保科 亨、下澤秀樹

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