[成果情報名]

2本のロープでけん引する短法面用草刈機

[要約]水田畦畔の法長さ4m未満の法面の草刈り作業を、作業者が法面に立ち入らないで畦畔天端上から2本のけん引用ロープで吊り下げ等高線方向に往復しながら行う人力式の法面用草刈機で、作業者のペースに合わせられるため作業負担が低減できる。
[キーワード]草刈り作業、法面、法面用草刈機、作業負担、畦畔天端
[担当]近中四農研・作物開発部・機械作業研究室
[連絡先]084-923-4100
[区分]共通基盤・総合研究
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 水田畦畔、特に勾配の急な棚田における畦畔・法面の草刈り作業は多くの労力を要し、低コスト化や中山間地域農業を継続するうえでの大きな障害となっている。そこで、水田畦畔の法面における草刈り作業の実態を把握し、既存の草刈機を操作がより容易なものに改良し、畦畔・法面管理作業の軽労化を図る。

[成果の内容・特徴]

  1. 刈払機利用による草刈り作業能率と心拍数増加率の関係を図1に示す。法面(斜度30~40°)における草刈り作業は、いずれの機種でも平坦地に比べ作業能率が低下し、心拍数増加率が高くなり作業負担が大きい。
  2. 改良したロープけん引式法面用草刈機は、人力用ロータリ式畦畔草刈機のアーム部を取り外して、側方に無段階に長さ調節可能な2本のけん引用ロープを取付け、作業者が畦畔天端上から吊り下げて等高線に沿って往復しながら法面の草刈り作業を行う草刈機である(図2)。
  3. 刈取り方式は1軸のロータリ式で、刈幅は280mmである(表1)。また、両側に遊動輪を2輪づつ取り付けているため、法面においても安定した走行が可能である(図2)。
  4. 作業者と動力部、刈取部が離れているため、肩掛け式刈払機に比べ作業時の耳元騒音は低い(表1)。
  5. 人力によるけん引のため雑草の量に応じて作業者が移動速度をコントロールでき、高齢者または草刈り作業初心者でも自分のペースで作業可能で、法面の草刈り作業時の心拍数増加率は肩掛け式刈払機に比べ低下する(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本機は、平坦な畦畔天端を有し法長さが4m未満の法面の草刈り作業に適応する。
  2. 草刈り作業能率と労働負担の関係は、今後の畦畔管理用機械開発のための基礎資料として活用できる。
  3. 本機の機関出力は既存刈払機と同程度であるので、草高が50cm未満のなるべく早い時期に作業を行うことが望ましい。

[具体的データ]

図1

図2

表1

表2


[その他]
研究課題名畦畔管理用機械の現地実証
予算区分中山間水田複合生産
研究期間2000~2001年度
研究担当者亀井雅浩、吉田智一、石田茂樹、土屋史紀
発表論文等1)亀井ら(2000)農作業研究、35(別1):131-132
2)亀井(2001)平成12年度近中農研推進会議作物生産部会重要検討事項資料:1-13

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