[成果情報名]

アズキモザイク病抵抗性アズキ新品種候補系統「3系-7」

[要約]京都府の奨励品種である「京都大納言」に府内で収集した在来種を交配し、アズキモザイクウイルス(ABMV)、キュウリモザイクウイルス(CMV)の両方に強い抵抗性を有し、製あん特性に優れる大納言小豆を育成した。
[キーワード]アズキ、ウイルス病抵抗性、アズキモザイクウイルス、京都大納言
[担当]京都農総研・作物部
[連絡先]0771-22-5010
[区分]近畿中国四国農業・作物生産
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 京都府丹波地域で生産される小豆は、実需者から高く評価され「丹波大納言」と呼ばれている。「丹波大納言」は多様な形質を包含した系統群であったことから、府内在来種の純系淘汰による「京都大納言」を育成、1981年奨励品種に採用した。本種はCMVに抵抗性であるがABMVには罹病性であるため、1988年、ABMVに抵抗性を有する在来種を見いだし、交雑育種により両ウイルスに抵抗性の高品質小豆品種を育成した。

[成果の内容]

  1. 1989年、CMVに抵抗性を有する「京都大納言」にABMVに抵抗性を有する在来種(No.39 園部町在来種)を交配、両方のウイルスに強い抵抗性を持つ個体を選抜した。その後、粒大、品質、成熟期で選抜し、2000年加工適性評価により「3系-7」を選抜した。その特性は、以下のとおりである。
  2. 7月中旬播種では、9月上旬に開花、11月上旬に成熟する秋型に属する晩生種である。
  3. 主茎長は中で「京都大納言」より長く、主茎節数は中、分枝数は多、耐倒伏性は弱である(表1)。熟莢色は褐色、種皮色は濃赤色、子実の形状は烏帽子、百粒重は26gと極大粒である。精子実重は京都大納言とほぼ同等である(図1表1)。
  4. 府内で発生が見られるABMV、CMV両方に対して強い抵抗性を有する(表2)。
  5. 製あん業者による加工適性評価(7項目)は、風味、香りとも「京都大納言」を上回り、煮くずれしにくい特性を有する(図2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 新育成品種「3系-7」は府内中・北部の平坦地に適する。しかし、成熟期が「京都大納言」に比べ10日遅いため、11月上旬に霜害の恐れがある地域への導入は避ける。
  2. 播種適期は7月中旬頃で、晩播密植栽培には適さない。倒伏抵抗性が弱く、中耕培土は必要である。栽植密度は「京都大納言」に比べ疎植栽培とする。
  3. 現在、品種登録作業を進めている。

[具体的データ]

図1

図2

表1

表2


[その他]
研究課題名豆類の遺伝資源の収集・保存と評価利用
予算区分府単
研究期間1986~2001年度
研究担当者河合哉、静川幸明、寺嶋武史、山下道弘、小坂能尚、福西務
発表論文等1)小坂ら(1989)関西病害虫研報31:78 
2)小坂ら(1991)京都農研報15:22-33
3)小坂ら(1997)日本植物病理学会報63-3:260

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