[成果情報名]

再生紙マルチを用いた水稲湛水直播栽培技術

[要約]水稲乾籾を不織布に封入・貼付した再生紙マルチ直播シートを用いた湛水直播栽培法。直播シートを代かき後落水した田面に敷設し、飽水状態を保つことにより安定した出芽、苗立ちが得られ、一年生雑草の発生を抑制でき、約470kg/10aの収量が得られる。
[キーワード]水稲、再生紙マルチ直播シート、直播栽培法、一年生雑草、収量
[担当]近中四農研・作物開発部・栽培生理研究室
[連絡先]0849-23-4100
[区分]近畿中国四国農業・作物生産
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 再生紙マルチシートを利用した機械移植栽培は除草効果が高いため除草剤散布の必要が無く、実用化され普及している。それを直播栽培法に応用した方法が中国農業試験場で開発され、その有効性が認められている。中山間地域に設置された現地試験圃場において出芽苗立ち、施肥方法、水管理、生育特性及び収量についての検討を行い、中山間地における再生紙マルチ直播シート(以下直播シート)を用いた直播栽培の適応性について確認する。

[成果の内容・特徴]

  1. 直播シートの仕様・価格を表1に、栽培法の作業手順と留意点の概要を表2に示す。
  2. 本播種法は土壌表面播種のため耐倒伏性が小さいので移植栽培に比べ減肥する。コシヒカリを用いた試験においては基肥として肥効調節型肥料を用いて窒素、りん酸,加里をそれぞれ4から5kg/10a、追肥として化成肥料を用いて窒素、加里をそれぞれ0.5kg/10aを1ないし2回分施する。
  3. 直播シートを田面に密着させるため飽水状態の田面に直播シートを敷設する。植代かきを丁寧に行い田面の均平化をはかるとともに明きょにより田面水の排水を促進する。敷設後飽水状態を保つことにより1株m2 当たり2.3本、m2 当たり苗立数50本が得られ、欠株率は2.2%である。
  4. 直播シートは敷設後約60日間田面を覆い、一年生雑草の発生は抑制される。
  5. 1999年から3年間岡山県加茂川町の現地圃場(標高 150m、面積16.7アール、2筆)において実施した結果を表3に示す。収穫時に倒伏が見られたがコンバイン収穫作業に支障はなく、減収、品質低下はない。3年間の平均収量は約470kg/10aであり、また、品質は1等米である

[成果の活用面・留意点]

  1. 中山間地域の小区画水田に適用できる。再生紙マルチ水稲直播栽培技術マニュアルを作成し普及をはかる。
  2. 直播シートは市販されている。2002年実施希望者は22カ所からあり総計約200アールの栽培が見込まれている。
  3. 土壌表面播種のため耐倒伏性が弱いので多肥栽培は避け、基肥を減肥し追肥重点の施肥方法を用いる
  4. 鳥害の危険性の高い水田や多年生雑草多発水田は避ける。

[具体的データ]

表1

表2

表3


[その他]
研究課題名再生紙マルチ水稲直播栽培技術の開発と導入
予算区分地域総合研究(中山間水田複合生産)
研究期間2001年度(1997~2001年度)
研究担当者名中川宣興、高梨純一、大平陽一、竹田博之、森田敏、白土宏之、山内稔
発表論文等中川宣興(1999)平成11年度農林水産業近畿中国地域研究成果発表会発表要旨:52-59

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