[成果情報名]

高温登熟条件下における乳白粒発生を抑制する「コシヒカリ」の適正籾数

[要約]「コシヒカリ」の乳白粒は出穂後20日間の平均最低気温が高いほど、また籾数が多いほど発生が多くなる。出穂後20日間の平均最低気温が23℃となる場合、乳白粒の発生を6%未満に抑制するには籾数を平方メートル当たり25,000粒以下に制御する必要がある。
[キーワード]乳白粒、平均最低気温、高温登熟、籾数
[担当]島根農試・作物部・作物科
[連絡先]0853-22-6650
[区分]近畿中国四国農業・作物生産
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 近年、乳白粒の多発生により「コシヒカリ」の品質が低下している。乳白粒の多発生する気象条件と稲体条件を解明し、乳白粒の発生が軽減できる栽培法確立の基礎とする。

[成果の内容・特徴]

  1. 乳白粒率と気温との関係を検討したところ、出穂後20日間の平均最低気温が高いほど乳白粒が増加した(相関係数:0.747、0.1%水準有意)。1等米の要件を満たす乳白粒率の上限を6%と仮定すると出穂後20日間平均最低気温は22℃が上限である(図1)。
  2. 1985~2001年の出穂日別に出穂後20日間平均最低気温の推移を検討した。この時期が22℃以下は(タイプ1)わずか7か年で、他の年次は22℃以上(タイプ2)か、8月第2半旬以降に22℃以下となる(タイプ3)。このように、出穂後20日間の平均最低気温が22℃を越える年次の出現頻度は高いが、移植時期を遅らせることによって登熟期間の気温が低下する確率は移植時期が遅いほど高まる(図2)。
  3. 出穂後20日間平均最低気温別に乳白粒発生との関係をみると、平均最低気温が23℃と高い場合には、平方メートル当たり籾数の他に1穂籾数および登熟歩合とも相関が強い(表1)。
  4. 籾数が増加するにつれて乳白粒が増加するが、乳白粒率が6%となる籾数は、出穂後20日間平均最低気温によって異なり、22℃と23℃ではそれぞれ平方メートル当たり33,000粒、25,000粒である(図3)。
  5. 以上の結果より出穂後20日間平均最低気温が23℃と高い場合、乳白粒の発生を6%未満に抑制するためには籾数を平方メートル当たり25,000粒以下に制御する必要がある。

[成果の活用面・留意点]

  1. 平坦部において移植時期の遅延(5月下旬以降の移植)が行えないなど、高温登熟の回避ができない状況が想定される場合の施肥管理基準作成に活用する。

[具体的データ]

図1

図2

表1

図3


[その他]
研究課題名良質米安定のための水稲生育制御技術の確立
予算区分県単
研究期間1999~2002年度
研究担当者月森弘
発表論文等月森・丸山(2000)日作紀69(別2)10-11

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