[成果情報名]

水稲湛水直播栽培における浅水代かき直後播種技術

[要約]浅水代かき直後播種法は慣行散播直播栽培に比べ、代かき用灌漑水が少量、代かき後の落水が不要、代かきから播種までが連続作業、除草剤散布適期幅が拡大されることなど、水稲湛水直播栽培において極めて効率的な播種法である。
[キーワード]水稲、直播、浅水代かき、代かき直後播種、除草剤散布適期
[担当]広島農技セ・作物研究部
[連絡先]0824-29-0521
[区分]近畿中国四国農業・作物生産
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 水稲湛水直播において散播栽培は播種作業を極めて短時間で行うことができる。しかし、播種前落水に時間を要し、落水後は速やかに播種する必要がある。また、落水による肥料分や泥水の流失軽減のため、代かきから播種まで2~4日の間を置く必要があり、その間にノビエの生育が進み、除草剤処理期間が制限されるなどの問題がある。
 そこで、これらを改善するため、耕起後に極少量の水で代かきを行い、その直後に播種する浅水代かき直後播種法を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 浅水代かき直後播種において、代かき前の湛水量を水面からの土壌露出度が50~80%となる水深5~20mm程度にする(表1図1)。
  2. 代かき前の湛水量は圃場内に水が十分に行き渡った状態で、土壌露出度を参考にしながら、圃場内数カ所の土壌表面を軽く均平化したときの水深を測定して調節する。
  3. 代かき直前の水深と代かき直後の水深の差異は小さい(表1)。
  4. 代かき直後の水深が0~30mmの範囲内では、播種後の出芽苗立ちは良好である(表2)。
  5. 水稲出芽期のノビエは、慣行の代かき2日後落水播種では1.5葉であるのに対し、本播種法ではノビエは見られない。
  6. 本播種法における水稲の生育は順調で、収量、品質とも慣行直播栽培並に確保できる。「コシヒカリ」は倒伏も軽微で収量は50kg/a前後である。「こいもみじ」は倒伏もなく、収量は55kg/a前後、品質も1等である(表2)。
  7. 以上のことから、浅水代かき直後播種では、慣行の散播直播に比べて、出芽苗立ち、収量・品質は同程度で、雑草防除の安定性が高い。さらに、代かきから播種を連続作業して行うため、極めて省力的であること、代かき用潅漑水が少なくてすむこと、及び代かき後の落水が不要で河川への肥料分や泥水の流失がないなどの利点がある。

[成果の活用面・留意点]

  1. 代かきは荒代かきと精代かきを連続して作業し、丁寧に行う。播種後の管理は落水出芽法とする。
  2. 本播種法では慣行散播直播に比べて除草効果は高いが、後発ノビエに留意する。
  3. 圃場の均平度が劣る圃場では代かき精度、出芽苗立ちについて今後の検討が必要である。

[具体的データ]

表1

表2

図1

図2


[その他]
研究課題名中北部地域における水稲湛水散播直播定着化のための安定生産技術の確立
予算区分県単
研究期間1999~2001年度
研究担当者古土井悠、邉見由紀子、下澤秀樹、前田光裕
発表論文等なし

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