[成果情報名]

「コシヒカリ」高品質生産のための適正籾数とその生育指標

[要約]「コシヒカリ」の高品質生産のためには、m2 当り籾数が30,000粒を越えないことが必要である。そのためには7月10日のm2 当り茎数×色票値÷100の値を19以下とするとともに、m2 当り籾数の予測に基づいた肥培管理を行う必要がある。
[キ-ワ-ド]「コシヒカリ」、m2 当り籾数、玄米品質、m2 当り茎数、色票値
[担当]山口農試・徳佐寒冷地分場
[連絡先]08395-6-0016
[区分]近畿中国四国農業・作物生産
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 本県の中山間地域は「コシヒカリ」が主に栽培されているが、近年乳白粒の発生による品質低下が問題になっている。安定して高品質米を生産するためには、生育診断予測に基づく肥培管理を行うことが重要である。そこで、玄米品質とm2 当り籾数との関係を基に幼穂形成期前後の適正生育量及び適正穂肥量を把握する。

[成果の内容・特徴]

  1. 玄米品質とm2 当り籾数との相関は高く、幼穂形成期後の気象によってふれることはあっても、1等の下限(玄米品質5.0)は30,000~35,000粒の範囲に収まり、'96年、'99年、'01年は35,000粒で、'98年、'00年は30,000粒である(図1図2)。このため、乳白粒の発生が少なく、年次を越えて安定して1等米を得るには、m2 当り籾数が30,000粒を越えないことが必要である。
  2. m2 当り籾数が30,000粒を越えないためには、7月10日のm2 当り茎数×色票値÷100の値が19以下になるように初期の肥培管理を行う必要がある(図3)。また、色票値の代わりに葉身窒素濃度を用いる場合は、7月10日のm2 当り茎数×葉身窒素濃度÷100の値が16以下となる(図4)。
  3. m2 当り籾数は、7月10日のm2 当り茎数×色票値(x1)、移植期から幼穂形成期までの積算温度(x2)、前期穂肥量(x3)を説明変数として重回帰式y=(85.785+6.636*x1+0.079*x2+18.511*x3)×100、決定係数0.669で予測できる。 

[成果の活用面・留意点]]

  1. 中山間地域における「コシヒカリ」の良質栽培指標として活用できる。
  2. 積算温度については最寄りのアメダスデ-タを利用する。
  3. 4月30日から5月20日の間に移植したものに適用できる。
  4. 7月10日は4月30日植えでは幼穂形成期を過ぎた穂肥施用直前、5月20日植えでは幼穂形成期である。

[具体的データ]

図1

図2

図3

図4

注 1) 移植期:4月30日、5月10日、5月20日の3水準
施肥量(N成分kg/10a):基肥-前期穂肥-後期穂肥0-0-0、2-2-2、2-0-2、2-2-0の4水準(各図共通)。
  2) 色票値は葉色カラ-スケ-ルで測定した値
[その他]
研究課題名中山間地域における野菜等の多品目少量生産流通技術-地域資源を活用した良食味米の効率的生産技術の確立
予算区分国補(地域基幹)
研究期間1997~2001年度
研究担当者村山英樹、井上浩一郎、吉永 巧
発表論文等

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