[成果情報名]

筍芋と海老芋赤茎との交配によるさといも新系統、サトイモ「愛媛3号」

[要約]さといも葉茎部のジベレリン処理で開花した「筍芋」と「海老芋赤茎」との交配を行い、未熟種子を培養し、作出した雑種個体の中から育成したサトイモ「愛媛3号」は、葉柄頸部、基部ともに着色があり、いもの形状が紡錘型で、親いもと小いもの肥大が良好な新系統である。
[キーワード]さといも、筍芋、海老芋赤茎、ジベレリン処理、交配、胚培養
[担当]愛媛県農試・作物育種室
[連絡先]089-993-2020
[区分]近畿中国四国農業・生物工学
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 さといもは交配による品種改良が難しい作物である。愛媛県農業試験場では、二倍体の「みがしき」、「筍芋」、「海老芋赤茎」、三倍体の「セレベス」、「石川早生」、「えぐ芋」をそれぞれ交配し、二倍体と二倍体、三倍体と二倍体の交配組合わせで胚培養による個体を作出した。これらの個体の馴化、選抜を行い、本県オリジナルのさといも新品種を育成する。

[成果の内容・特徴]

  1. 「筍芋」×「海老芋赤茎」から育成した個体の地上部について、葉柄、葉の形状及び形質は個体差が大きい。地下部は、子・孫いもの形状はほとんどが海老形状であり、親いもは紡錘形のものも見られる。「セレベス」×「筍芋」では子・孫いもが丸い形状のものもある(表1)。
  2. 育成個体103個体から、平成11年度にT-1、2、9の3系統を有望系統として、選抜し、平成13年度にT-2をサトイモ「愛媛3号」とした(図1)。
  3. サトイモ「愛媛3号」の地上部について、草姿は非叢生の立性、草丈、葉の形状、葉柄の屈曲程度は「筍芋」と同様であるが、葉柄頸部、基部ともに着色する点が「筍芋」と異なる(表2)。
  4. 地下部について、親いもの形状は紡錘形で、重量は約1.4kgで筍芋よりも大きい。小いもの形状は長形で、1個重は筍芋より大きい。孫いもは筍芋より少なく小さい(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. サトイモ「愛媛3号」は、種いもに孫いもも利用できるので、親いもと子いもは全て出荷することもできる。
  2. 栽培面において、親いも、子いもの肥大が良好であるので、子・孫いも品種と比較し、土寄せを十分に行い、必要であれば、栽植密度、水管理、肥培管理等も検討する必要がある。
  3. サトイモ「愛媛3号」は、東宇和郡野村町で、栽培及びその特長を活かした加工及び販売が計画されている。

[具体的データ]

図1

表1

表2

表3


[その他]
予算課題名バイオテクノロジーによる優良農作物の育成試験
予算区分県単
研究期間1985~2001年度
研究担当者浅海英記、玉置学、森川隆久、鳥生誠二
発表論文等なし

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