[成果情報名]

MNSVコート蛋白質遺伝子アンチセンス導入によるMNSV抵抗性メロンの作出法

[要約] 黄皮白肉メロン‘No.44’に、メロンえそ斑点ウイルス(MNSV)コート蛋白質遺伝子の一部をアンチセンス方向に導入することにより、MNSVに対する抵抗性を付与することが可能である。
[キーワード]メロン、遺伝子導入、メロンえそ斑点ウイルス、抵抗性
[担当]島根農試・作物部・生物工学科
[連絡先]0853-22-6650
[区分]近畿中国四国農業・生物工学
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 メロン栽培において問題となっているウイルス病の一つに、メロンえそ斑点ウイルスがある。当場で育成したメロンに、このウイルスに対する抵抗性を付与するため、MNSVコートタンパク質遺伝子のアンチセンスを導入する。

[成果の内容・特徴]

  1. MNSVのコートタンパク質遺伝子をクローニングし、pBI121をもとに、この遺伝子の一部をアンチセンスに組み込んだバイナリーベクターを構築した(図1)。
  2. アグロバクテリウム法によりメロン‘No.44’を形質転換し、MNSVcp系統を作出した。獲得した形質転換体は、随時閉鎖系温室で栽培し、MNSV抵抗性を検定後、後代を作出した。
  3. 形質転換体当代の葉身を用いてウイルスの汁液接種試験を行い、抵抗性を示す系統を得た(表1)。抵抗性を示す系統の病徴は、病徴の遅延は認められないが、感受性品種がえそ斑を示すのに対し、抵抗性品種のニューメロンと同程度の白色の少斑点を示す。また、それらの形質転換体のT1、T2について、分離した目的遺伝子導入個体、非導入個体共に抵抗性検定を行った。最も強い抵抗性を示す遺伝子導入個体後代では形質転換体当代と同程度の抵抗性を示したのに対し、非導入個体では著しい病斑を呈する(図2)。また、ELISA法により、遺伝子導入個体では非導入個体に比べウイルスの増殖が抑制されていることが確認できる(図3)。
  4. 抵抗性を示す遺伝子導入個体では、ノーザンハイブリダイゼーションにより導入した遺伝子の発現が確認できる(図4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 作成したベクターは他の品種でも利用可能である。
  2. 最も強い抵抗性を有した系統は、導入遺伝子がヘテロの場合は個体間差も少なく安定した抵抗性を示すが、ホモになるとクロロシスを起こし中間母本としての維持が困難であり、他に発現の強い系統を選抜していく必要がある。

[具体的データ]

図1

表1

図2

図3

図4


[その他]
研究課題名有用遺伝子導入によるメロンの果実品質向上と耐病性の付与
予算区分地域先端(国補)
研究期間1997~2002年度
研究担当者杉山万里、近重克幸
研究論文等なし

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