[成果情報名]

積雪地帯におけるレタスセル成型苗秋定植および越冬セル苗早春定植栽培

[要約]晩秋に定植したレタスのセル成型苗およびトレイごと露地に保存した苗は、冬期間積雪下で欠株なく越冬する。越冬保存苗を融雪後定植してもその後の生育は順調で、春は種栽培より収穫時期が早くなり、積雪地帯におけるレタスの春の早期収穫が可能である。
[キーワード]レタス、セル成型苗、秋定植、越冬保存苗、収穫時期
[担当]兵庫北部農技セ・農業部
[連絡先]0796-74-1230
[区分]近畿中国四国農業・野菜
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 兵庫県北部地域は典型的な日本海型気候であり、晩秋にはしぐれ、冬期間には相当量の積雪もある。このような気象条件下で、レタスを早春には種し初夏に収穫する作型は、育苗期が低温のためビニルハウスや加温設備が不可欠である。さらに、育苗管理に細心の注意を要し、定植期が融雪期にあたるためほ場準備が難しいなどの問題がある。
 そこで、秋定植栽培とセル成型苗を冬期間積雪下で越冬保存、融雪直後に定植し生育させることにより春は種、春定植栽培より早期に収穫する作型を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 秋定植栽培は、セル成型苗のは種期を9月下旬から10月上旬とし、11月中下旬に露地ほ場に定植する。秋定植では、は種日が遅くなるほど育苗期間中の気温が低下し、セル成型苗の生育量は小さくなるため10月中旬までには種する(表1)。春融雪後の欠株は認められず、その後の生育は順調で収穫始期は5月1日頃となる(図2)。
  2. 越冬セル成型苗早春定植栽培は、秋定植と同時期には種、育苗したセル成型苗に不織布(光透過率90%以上)をべたがけし、冬期間露地積雪下で保存し、翌年3月中旬の融雪後に定植する。試験実施年のように冬期間の平均気温並びに積雪量が平年並みであると、セル成型苗保存場所の最深積雪は約40cmとなり(図1)、春融雪後の欠株は1.5%程度である。越冬保存セル成型苗早春定植栽培の収穫始期は5月17日頃となる(図2)。
  3. 慣行の春は種、春定植栽培の収穫始期は6月4日であり、秋定植および越冬セル成型苗春定植栽培とも、慣行栽培より早期に収穫が可能であり(図2)、これらの作型を組み合わせると連続して収穫が可能である。収穫したレタスの球重、品質は、いずれのは種、定植期とも慣行とほぼ同等であり異常球の発生は認められない(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 標高が高く降雪時期が早い地域でのセル成型苗秋定植栽培は、は種、定植期をやや早くし苗を完全に活着させておく。
  2. セル成型苗を越冬保存する場所は、湿害を受けないよう排水対策を確実に行う。
  3. マルチは天候の良い晩秋に敷設しておき、融雪後速やかに定植できるようにしておく。

[具体的データ]

表1

図1

図2

表2


[その他]
研究課題名気象条件を活かした特産野菜の新作型開発
予算区分県単
研究期間1999~2001年度
研究担当者福嶋昭
発表論文等福嶋(2001)園芸学会近畿支部大会発表要旨:14

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