[成果情報名]

イチゴの徳島農研方式高設栽培システム

[要約]本システムはベッド構造が既存の発泡スチロール板をV字型に組み合わせただけの簡易なもので培地はヤシガラを用い、排水性、保温性が良好で収量性が高い。養液供給は土耕に用いる液肥を点滴給液する方式であり、現行の養液栽培における養液供給装置よりも低コスト化が図られるとともに養液管理が簡素化できる。
[キーワード]イチゴ、高設栽培、養液栽培、ヤシガラ
[担当]徳島県立農林水産総合技術センター農業研究所 栽培育種担当
[連絡先]088-674-1660
[区分]近畿中国四国農業・野菜
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 イチゴの高設栽培は作業の軽労化、省力化が図られる栽培技術として、近年、普及が進んでいるが、現状のシステムでは施設費が高額なものや収量性が不安定なものが多い。
 そこで、低コストで高収量が得られ、栽培管理が容易なイチゴの高設栽培システムを開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 栽培ベッドは既存の発泡スチロール板をL字型アングルでV字型に組み合わせたもので培地には細めのヤシガラを使用し、ベッド底部にはコルゲート管、培地内に温湯パイプを配管している。また、栽培ベッドには1/200の勾配をつけており、余剰水は栽培ベッドの末端で集水できる(図1)。 
  2. 培養液管理は、土耕用の微量要素入り液肥を1500倍~2000倍に希釈して点滴給液する1液方式とする。2液を混合する水耕用の完全培養液とほぼ同等の生育、収量が得られ、養液供給装置の低コスト化、養液管理の簡素化が図ることができる(図2)。
     また、給液はタイマー制御の簡易なもので、排水性が良いため曇雨天日も晴天日と同様に行う。
  3. 培地温度は11月~2月に15℃になるよう温湯パイプで培地加温する。
  4. 栽培ベッド、養液供給装置とも簡易であるため、施設費の低コスト化が図られるとともに排水性が良好で、根圏温度も適温に保たれるために収量性が高い(図3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 初年度のヤシガラは定植前に十分水になじませる。また、ヤシガラ培地は4~5年連用可能である。
  2. 本システムの施設費は工事費別で10a当たり約270万円である。

[具体的データ]

図1

図2

注)1液:大塚OKF-2、2液:大塚A処方培養液 1999年9月22日定植

図3

注)バッグ方式:折り径30cm、長さ85cmのシルバーポリ製の袋にピートモスとロックウール細粒綿を3:1に混合した培地を詰めたものを使用。培地加温なし
1998年9月14日定植


[その他]
研究課題名イチゴの有機培地による簡易高設養液栽培の開発
予算区分県単
研究期間1998~2000年
研究担当者板東一宏、松崎正典、佐藤佳宏
発表論文等1)板東・佐藤(1999)園学中四国支部要旨:28
2)松崎ら(2002)徳島農研報告37号:1~10

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