[成果情報名]

中山間地域におけるホウレンソウおよびコマツナの夏秋どり栽培技術

[要約]この栽培体系は、ホウレンソウでは雨よけ資材に近紫外線カットフィルムを被覆し、シードテープによる溝底播種を行うことにより、収量の向上、省力化が図れる。コマツナでは簡易太陽熱消毒7日間処理と0.8mm防虫ネットで雑草と害虫が防除できる。また、本体系の施肥は発酵鶏糞堆肥のみ連年施用で化成肥料と同等以上の収量が得られる。
[キーワード]ホウレンソウ、コマツナ、近紫外線カットフィルム、溝底播種、発酵鶏糞堆肥
[担当]徳島県立農林水産総合技術センター農業研究所・栽培育種担当
[連絡先]088-674-1660
[区分]近畿中国四国農業・野菜
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 本県の中山間地傾斜畑では、その気象条件を利用した高品質野菜の端境期出荷による有利販売が可能であり、市場においてもこれら中山間地の高品質野菜供給への要望が高まっている。そこで、これら中山間地の栽培に適合し、市場性の高い初夏・秋どりホウレンソウと盛夏どりコマツナを組み合わせた栽培技術体系を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. 本栽培体系は初夏どりホウレンソウについては「アルタイル」を5月中旬に播種し、6月下旬に収穫、その後、コマツナ「よかった菜」を7月中旬に播種し、8月中旬に収穫し、秋どりホウレンソウ「サンピア」を8月下旬播種、9月下旬に収穫する(図1)。
  2. ホウレンソウでは雨よけ資材に近紫外線カットフィルムを使用することで立ち枯れ病予防や生育促進効果が、播種方式を溝底播種することにより地温の上昇が抑制され発芽率、収量が向上する(図2図3)。
  3. 盛夏どりコマツナ栽培では簡易太陽熱消毒7日間処理と0.8mm目合いの防虫ネット被覆により雑草とキスジノミハムシによる食害がほぼ抑えられる(図4)。
  4. 本栽培体系における施肥は、発酵鶏糞堆肥を10a当たり雨よけホウレンソウで1t(N成分15kg)、コマツナで667kg(N成分10kg)施用することにより、それぞれの慣行栽培における平均収量10a当たり1tを上回る収量が得られる(表2)。
  5. ホウレンソウおよびコマツナの間引きや収穫調整作業はシードテープの5cm1粒播種により省力化が図れる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 溝底播種の際、溝は浅くならないよう注意する。
  2. ホウレンソウ播種後は、発芽促進のため夕方かん水し、土壌水分を適湿に保つ。
  3. 盛夏どりコマツナの簡易太陽熱消毒処理の際、畦へのかん水は充分量行う。
  4. この栽培体系は標高500~600mに適応した技術である。

[具体的データ]

図1

図2

図3

図4

表2


[その他]
研究課題名傾斜地に適合した野菜・花きの高品質生産技術の開発
予算区分国庫助成(地域基幹)
研究期間1997~2001年度
研究担当者杉本和之、板東一宏、久米洋平、佐藤佳宏
発表論文等

目次へ戻る