[成果情報名]

近紫外線除去フィルム被覆下におけるキュウリの促成栽培

[要約]被覆資材として近紫外線除去フィルムを用いたキュウリの促成栽培では、つる下げ誘引仕立てで誘引枝数を3または4本として栽培した場合、一般農業用ビニル被覆下に比べて主枝長および誘引枝長はやや長いが、節数がやや多く、収穫果数および上品収量も多い。
[キーワード]近紫外線除去フィルム、キュウリ、促成栽培、誘引枝長、節数、収量
[担当]高知農技セ・作物園芸部・施設野菜科
[連絡先]088-863-4918
[区分]近畿中国四国農業・野菜
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 キュウリのハウス栽培では、アザミウマ類の媒介による新しいウイルス病が発生し、被害の拡大が危惧されている。その対策として、アザミウマ類の侵入・増殖を抑えることが知られている近紫外線除去フィルム被覆下での栽培が検討されている。しかし、やや徒長気味な生育を示す場合があること、収量に対する評価も十分でないなど解明するべき点も残されている。そこで、近紫外線除去フィルム被覆下でのキュウリの生育、収量特性を一般農業用ビニル被覆下と比較検討するとともに、栽培管理技術を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. 被覆資材として、380nm以下を100%除去する近紫外線除去フィルムを用いる。
  2. 対象品種は「シャープ1」とする(図1)。
  3. 栽植方法はうね幅180cmで1条植えとし、株間は誘引枝3本仕立てでは45cm、4本仕立てでは60cmとする。
  4. 仕立て方法はつる下げ誘引仕立てとし、誘引枝数は3または4本とする。誘引枝3本仕立てでは主枝の7~8節、10~11節および18節、誘引枝4本仕立てでは主枝の7~8節、10~11節、14~15節および18節の第1次側枝をそれぞれ誘引する。主枝は18節で、その他の第1次側枝は1節で摘心する(図2)。
  5. 特徴としては、一般農業用ビニル被覆下に比べて主枝長および誘引枝長はやや長いが、節数がやや多く、収穫果数および上品収量も多い(図3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 基肥はN、P25、K2O、各45kg/10aを全層に施用し、追肥には液肥を用い、N成分で0.9kg/10a/週を目安とする。
  2. かん水は慣行に準じて行い、厳寒期は2~3日間隔、その他の時期には1~2日間隔を目安に、1回当たり4~5L/株かん水する(かん水開始点、pF値2.0)。
  3. 温度管理は慣行に準じて行い、平均夜温を13℃とし、午前中は28℃、午後は25℃を目安に換気する。
  4. 一般農業用ビニル被覆下に比べて、つる下ろしの回数がやや多くなる。
  5. 害虫の侵入防止のため、ハウス開口部には0.8mm目程度の防虫ネットを張る。また、べと病、うどんこ病などの病害防除は定期的に行う。
  6. 近紫外線除去フィルムを用いた場合、10a当たりの被覆資材費は10%程度高い。

[具体的データ]

図1

図2

図3

図4


[その他]
研究課題名近紫外線除去フィルム被覆下におけるキュウリの栽培管理技術の確立
予算区分県単
研究期間1998~2000年度
研究担当者橋本和泉、前田幸二
発表論文等1)橋本・前田(1999)園学中四国支部要旨38:42.

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