[成果情報名]

ランナー直接定植によるイチゴの高設栽培

[要約]ランナーを少量の培地を用いた高設床に直接定植し、開花を促進する技術を確立した。培地はマサ土とパーライトの配合土(容積比、1:1)がよく、クラウン径5~8㎜以上のランナーを8月上旬に定植する。培地冷却により開花が一層促進される。
[キーワード]イチゴ、ランナー、直接定植、高設栽培、開花促進、培地冷却
[担当]兵庫中央農技セ・園芸部
[連絡先]0790-47-2423
[区分]近畿中国四国農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 イチゴ(品種:「とよのか」)の育苗労力の省力化と花芽分化の促進を図るため、少量の培地を用いた高設栽培において、ランナーを直接定植する栽培技術を開発する。本圃で用いる培地条件、定植時期、遮光、培地冷却並びにクラウンの大きさが花芽分化促進に及ぼす影響を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 高設栽培の培地として、排水がよく、養水分がコントロールしやすいマサ土とパーライトの配合土を用いると開花株率が高まり、逆に、ピートモスの割合が高くなるほど、開花株率が低下する(表1)。
  2. ランナーの定植は8月4日~11日が適し、定植が遅れると苗の充実が図れず、開花が遅延する(表2)。また、これより早い7月下旬に定植しても、開花の前進化や増収効果は認められない(表3)。
  3. クラウン径が5mm以下の小さいランナーは花芽分化の感応性が劣るので、クラウン径5~8mm以上のランナーを用いる。遮光による開花促進効果は小さいが、チラーによる培地冷却で9月上旬に培地温を15℃に冷却すると花芽分化がより一層促進され、開花がさらに早くなる(表4)。
  4. 培地中の肥料濃度が高いと活着が不良になったり、花芽分化が遅れるので、ランナー定植前には水を十分掛け流して肥料濃度を低下させておく。定植後は水または濃度の低い培養液で管理し、9月上中旬に花芽分化を確認してから培養液の濃度を上げて生育を促す。

[成果の活用面・留意点]

  1. 開花を揃えるためには、ランナーのステージを揃えた均質な苗を用いる。
  2. ランナー定植時には遮光し、朝夕、葉水を十分に与えて活着を促す。
  3. 品種「とよのか」での試験結果である。

[具体的データ]

表1

表2

表3

表4


[その他]
研究課題名ランナー直接定植によるイチゴの高設栽培技術の確立
予算区分県単
研究期間1996~1999年
研究担当者小林 保
発表論文等なし

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