[成果情報名]

ホウレンソウ収穫後の残根が土壌消毒の効果に及ぼす影響

[要約]ホウレンソウ作付け前に土壌消毒を行う場合、前作で萎凋病に罹病したホウレンソウの根が土壌中に残っていると、土壌消毒の効果は低下する。
[キーワード]ホウレンソウ、萎凋病、残根、土壌消毒
[担当]山口県農業試験場・病害虫部病害管理グループ、徳佐寒冷地分場
[連絡先]083-927-0211
[区分]近畿中国四国農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 ホウレンソウ萎凋病の防除は、主にくん蒸剤による土壌消毒により行われている。しかしながらほとんどの圃場で、消毒後2~3作目には、本病の再発が見受けられる。そこで本要因を明らかにすることを目的として、ホウレンソウの収穫後の残根が土壌消毒の効果に与える影響について検討し、本病の防除のための資料を得る。

[成果の内容・特徴]

  1. 地表面、地下10cm、25cmの深さにそれぞれ埋め込んだ萎凋病罹病ホウレンソウの根からは、クロルピクリンくん蒸剤またはダゾメット粉粒剤による土壌消毒後も、病原菌が高率に分離される(表1)。
  2. 地下5~10㎝から採取した土壌中の病原菌密度は、残根除去のみ>土壌消毒のみ>土壌消毒+残根除去の順であり、土壌消毒と残根除去を組み合わせることによって密度が大きく低下する(図1)。
  3. 萎凋病発生ほ場では、土中に前作までの萎凋病罹病ホウレンソウの根を残存した状態で土壌消毒を実施すると、消毒効果は低く、消毒直後の栽培でも萎凋病の発生が多く認められるが、土壌消毒前の収穫時または消毒直前にホウレンソウの残根を除去し、土壌消毒を実施すれば消毒効果が高まる(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 健全株の残根も萎凋病の発生を助長すると考えられるため、罹病株だけでなく健全株の残根も一緒に除去する必要がある。
  2. 残根の引き抜きは、現在手作業により実施しているが、労力を要するため、普及にあたっては、機械化による効率的な除去方法の検討が必要である。

[具体的データ]

表1

図1

表2


[その他]
研究課題名中山間地域における野菜等の多品目少量生産流通技術
夏ホウレンソウの省農薬生産技術の確立
予算区分国庫助成(地域基幹)
研究期間1997~2001年度
研究担当者鍛治原寛、木村一郎、角田佳則、福原宏行、井上興、片川聖
発表論文等鍛治原ら(1999)九州病害虫研究会報45:134(要旨)

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