〔成果情報名〕

レタス品種のレタスビッグベイン病耐病性の簡易検定法

〔要約〕レタスビッグベイン病罹病株根部を混入した養液でレタスを栽培すると発病が継続的に再現できる。レタス品種が養液栽培で示す発病株率は発病ほ場と同様な傾向であることから、養液栽培によるレタスビッグベイン病の耐病性の検定が可能である。
〔キ-ワ-ド〕レタス、レタスビッグベイン病、耐病性、検定法
〔担当〕香川県農業試験場・野菜担当
〔連絡先〕087-889-1121
〔区分〕近畿中国四国農業・野菜
〔分類〕科学・参考

〔背景・ねらい〕
 近年、レタスビッグベイン病の発生が冬どりの産地で報告され、拡大している。その対策として耐病性品種の導入が考えられる。本病は糸状菌Olpidium brassicae に媒介されるウイルスによって発症する。この媒介糸状菌は絶対寄生菌のため人工培養ができない。そのため耐病性の検定は発病ほ場あるいは発病土壌を用いたポット栽培で行っている。この場合、環境要因等の影響のため発病にばらつきを生じることがある。そこで、保毒媒介糸状菌の安定的接種による効率かつ簡易な耐病性の検定法を検討する。

〔成果の内容・特徴〕

  1. 現地発病株より得た根域土壌20gあるいは細根10gを混入したEC 1.5dS/mの大塚A処方の養液3リットルを用いて、本葉3~4葉のレタス苗を発泡スチロールにスポンジで固定し栽培すると発病が再現できる。また、2作目以降の栽培においては、罹病性品種は定植約40日後には全株発病の再現ができる(表1)。
  2. 発病土壌を用いた場合は発病開始時期が遅れ、発病が斉一ではない(表2)。
  3. 発病養液を7%、70%添加した養液でも定植25日後から発病がみられ,発病開始から約10日後には全株発病し発病開始時期のばらつきが小さい。添加率10%以上であれば発病開始時期、発病株率に大差がない(図1)。
  4. 発病養液を用いて調査したレタス品種の示す発病株率は発病ほ場における収穫期等の発病株率とほとんど同様な傾向を示す(図2)。

〔成果の活用面・留意点〕

  1. レタス既存品種および育成品種の効率かつ迅速な耐病性の検定が可能となる。
  2. レタスビッグベイン病発生地以外でも容易に本病に関した研究が可能となる。
  3. 罹病品種を指標にすれば、逆に本病汚染ほ場の検定にも利用できる。
  4. 発病土壌を用いるより簡易な施設・設備で対応でき、周辺部への汚染の危険性がほとんどない。
  5. 本病は17℃以下で発病するため、人工気象室等で実施すれば周年検定が可能である。
  6. 発病養液および検定済みレタスを廃棄する場合は必ず殺菌処理を行う。

〔具体的データ〕

表1

表2

図1

図2


〔その他〕
研究課題名レタスビッグベイン病の発生抑制技術の開発
予算区分行政対応特別研究
研究期間2000~2001年度
研究担当者野田啓良、黒川領太
発表論文等野田啓良ら(2001)園学雑 70(別2):143.

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