[成果情報名]

酒造好適米中生品種「吟の夢」の高品質・安定栽培のための窒素施肥法

[要約] 「吟の夢」では速効性の高度化成肥料を用いた基肥、穂肥体系とし、基肥は窒素成分(/10a)で5kg、穂肥は3kg施用する。これより、m2当たり籾数が24,000粒以下に制御され、玄米千粒重が24g以上でタンパク質含有率の低い玄米を480kg/10a安定して生産できる。
[キーワード]イネ、酒造好適米、吟の夢、窒素施肥法、玄米千粒重、タンパク質、収量
[担当]高知県農業技術センター・作物園芸部・水田作物科
[連絡先]088-863-4916、mototaka_sakata@ken2.pref.kochi.jp
[区分]近畿中国四国農業・作物生産(夏作)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 本県は、酒造好適米需要量の95%(1999年)を他県に依存してきた。地酒志向が高まるなか、県独自の酒造好適米生産への要望が強まったことから「吟の夢」を育成し、1997年度に県の奨励品種として採用した。しかし、産地や栽培法の違いにより玄米千粒重やタンパク質含有率等の酒造適性に変動が見られる。そこで、「吟の夢」の酒造適性を向上(目標値:玄米千粒重24g以上、タンパク質含有率7%以下)させ、安定収量(480kg/10a)を得るための栽培技術を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. 収量を安定して10a当たり480kg程度えるためには、m2当たり籾数を24,000粒程度確保する必要がある。この場合、玄米千粒重が24g以上でタンパク質含有率が6.5%程度の玄米をえることができる(図1)。
  2. 窒素施肥法:基肥+穂肥体系とし、肥料には速効性の高度化成肥料を用いる。緩効性被覆肥料を基肥全量施用した場合、多収となる場合もあるが、玄米千粒重が軽く、タンパク質含有率が高くなる(第3図)。
  3. 窒素施肥量:基肥として10a当たり成分で5kg、穂肥は3kgとする(図3)。
  4. 穂肥施用の診断指標:幼穂形成期における草丈(cm)、茎数(本/m2)および葉色( SPAD値)の積値である生育示度値が10.7程度までなら3kg/10a施用する。12.2をこえる場合があれば施用をひかえる。なお、10.7~12.2の時は0~3kg/10aで調整する (図4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 窒素施用量は土壌条件によって多少調整が必要であるため、当地域の「ヒノヒカリ」に準じて調整する。
  2. 適用範囲は、高知県内中山間地域の普通期水稲栽培地帯である。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 本県育成酒造好適米‘吟の夢’および‘風鳴子’(高育酒63号)の安定栽培技術の確立
予算区分県単
研究期間2000~2002年度
研究担当者坂田雅正、岩崎昭雄

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