[成果情報名]

打ち込み土中点播栽培におけるオガクズ入牛糞堆肥の化成肥料代替効果

[要約] 打ち込み式代かき同時土中点播栽培「コシヒカリ」において、オガクズ入牛糞堆肥を2t~4t量施用することで、基本とする化成分施体系の基肥-中間肥相当の窒素量を削減でき、また連年施用を行うことで化成肥料によるリン酸と加里の施肥も削減できる。
[キーワード]イネ、湛水直播、コシヒカリ、耕畜連携、堆きゅう肥活用、施肥削減
[担当]鳥取県農業試験場・環境研究室、作物研究室
[連絡先]電話0857-53-0721、電子メールkumatanih@pref.tottori.jp
[区分]近畿中国四国農業・作物生産(夏作)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 打ち込み式代かき同時土中点播栽培において、有機質資源の有効活用により耕畜連携を推進するため、オガクズ入牛糞堆肥の施用による化成肥料施用量削減の可能性と、水稲の収量・品質への影響を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. オガクズ入牛糞堆肥2tまたは4tを施用し、基肥-中間肥の施肥窒素を削減した場合でも、わら重、精玄米重にみる生育量は化成分施体系とほぼ同等となる。冷夏の影響を受けた2003年においては、初期の茎数不足の影響によりオガクズ入牛糞堆肥2t施用区の生育量は低調であるが、同4t施用区の精玄米重は化成分施体系と同等である(図1)。
  2. 3年間平均精玄米重は2003年データの影響により、化成分施体系と比較してオガクズ入牛糞堆肥2t施用区の変動が大きく、安定した収量を確保するためには同4t施用区が有望と考えられる。ただし、他の2年間における精玄米重や3年間平均の窒素吸収量はほぼ同等であることから、平年の気象条件においてはオガクズ入牛糞堆肥2t施用でも化成分施体系と同等に収量・品質は確保できる(表1)。
  3. オガクズ入牛糞堆肥を連用した水稲4作後跡地土壌の分析結果を見ると、リン酸、加里を施肥していないにもかかわらず、化成分施体系と比較して可給態リン酸含量は同等、交換性加里含量は増加傾向となっており、精玄米重や検査等級にも顕著な差が見られないことから、窒素のみならず基肥時のリン酸、加里施肥の削減も可能である(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 対象とする品種は「コシヒカリ」であり、他の品種については別途検討が必要である。
    試験は5月中旬播種の打ち込み式代かき同時土中点播栽培に関し、平坦地の細粒灰色低地土ほ場において実施したものである。
  2. オガクズ入牛糞堆肥を連用する場合には、連用年数に応じて窒素、リン酸、加里の施肥を削減できる量が変化すると考えられるため、別途検討を行う必要がある。

[具体的データ]





[その他]
研究課題名中山間地における省力・低コスト湛水直播栽培法の確立
予算区分国補(地域基幹農業技術体系化促進研究)
研究期間1999~2003年度
研究担当者熊谷 均、松原秀樹、坂東 悟、久重祐彦、西尾博之

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