[成果情報名]

フジコナカイガラムシの薬剤感受性検定法

[要約] フジコナカイガラムシの薬剤感受性は、1齢幼虫をインゲンマメの葉片に放飼し、各発育段階に到達後、回転式薬剤散布塔を用いて葉片ごと薬剤散布する虫体・葉片散布法で調べることができる。
[キーワード]フジコナカイガラムシ、虫体・葉片散布法、薬剤散布塔、インゲンマメ
[担当]和歌山農水総技センター果試かき・もも研究所
[連絡先]電話 0736-73-2274、電子メール morishita_m0003@pref.wakayama.lg.jp
[区分]近畿中国四国農業・生産環境(病虫害)・果樹
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 フジコナカイガラムシに対する薬剤の殺虫効果は、これまで圃場試験でのみ判定されていたが、薬剤の殺虫効果のみならず薬剤感受性の齢期の進行に伴う変動や地域個体群による違いを正確かつ簡便に把握するために、虫体・葉片散布法による検定法を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. プラスチック容器(内径80mm、高さ25mm)に 0.5%寒天ゲルを注入し、3×4cmに切ったインゲンマメの初生葉片(3齢幼虫と成虫用には2×2cm)を葉裏を上に置き、飼育容器内を徘徊する1齢幼虫30頭を面相筆で放飼する。容器を23℃、日長16L-8D条件で保持する。
  2. 1齢幼虫の試験では、放飼1日後に死虫を除去し、同2日後に回転式薬剤散布塔を用いて圧力0.2Kg/cm2で薬剤を散布する。薬剤は展着剤を加用した水道水で希釈し、1容器につき所定濃度の薬液6mlとする。散布5日後にピンセットの先端で幼虫をつつき、正常に歩行するものを生虫と判定する。
  3. 2齢幼虫では1齢幼虫放飼9日後に、雌3齢幼虫では放飼16日後に、雌成虫では放飼25日後に、それぞれ1齢幼虫と同様の方法で薬剤散布を行う(図1)。いずれの生育段階でも無処理区の死亡率は5%以下と低い。なお、インゲンの葉は、23℃恒温条件下では約2週間しか良好な状態に保てないので、3齢幼虫の試験では放飼13日後に、また雌成虫では15日後に古い葉(2×2cm)を容器から剥がし、新鮮な葉(3×4c m)の上に置き、虫が新葉に移動できるようにする。
  4. アセフェート水和剤とプロチオホス水和剤、DMTP水和剤のLC50値は齢期の進行とともに上昇する。一方、アセタミプリド水溶剤に対する感受性は2齢~成虫ではあまり変化がみられず、発育段階による感受性の変化は薬剤によって異なる(図2)。
  5. かつらぎ町と九度山町個体群の1齢幼虫のLC50値は減農薬栽培園(橋本市)に比べて、シペルメトリン水和剤では11.7~12.2倍、DMTP水和剤では6.0~6.5倍、アセタミプリド水溶剤では15.4~18.7倍高く、地域または散布履歴の違いにより薬剤感受性の違いが認められる(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 供試虫はプラチック容器内のカボチャで飼育するが、密度を高めると1齢幼虫が容器  内を徘徊するので、筆による放飼が容易になる。
[具体的データ]





[その他]
研究課題名カキのフジコナカイガラムシの防除対策
予算区分国補
研究期間2002~2004年
研究担当者森下正彦、久保浩之、南方高志、山内 勧
発表論文等森下正彦(2003)第47回日本応用動物昆虫学会(講要)38.

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