[成果情報名]

ホウレンソウの新害虫ヒメクロユスリカの生態と有効薬剤

[要約] ヒメクロユスリカは9月から翌年の5月まで発生し、幼虫がホウレンソウの芯葉と発芽時の胚軸を加害する。20℃の発育日数は卵から成虫までは20.7日、産卵前期間1.9日である。ダイアジノン粒剤(播種前土壌混和)等が有効である。
[キーワード]ホウレンソウ、ヒメクロユスリカ、Smittia pratora、発生消長、発育日数、有効薬剤
[担当]山口農試・病害虫部・虫害管理グループ
[連絡先]083-927-0211
[区分]近畿中国四国農業・生産環
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 平成8年から平成11年の冬期に、山口県美祢市と山口市の雨除けハウスのホウレンソウで発芽不良や収穫前の新芽の食害被害が多発生した。(株)環境科学 山本 優氏の同定の結果、陸棲ユスリカの一種ヒメクロユスリカSmittia pratoraと判明した。本種は害虫としては未記録であり、その生態や防除方法など全くわかっていないため、それらについて解明を行う。

[成果の内容・特徴]

  1. 発生消長:成虫は9月から翌春5月まで発生する。ハウス内で増殖し、幼虫が11月から5月にホウレンソウの芯葉と発芽時の胚軸を加害する(図123)。
  2. 発育:20℃では、卵から成虫までは20.7日(卵2.8日、幼虫16.2日、蛹1.7日)、産卵前期間1.9日である。幼虫は4齢を経過する。25℃の条件下で4齢幼虫の発育が停止する。(表1) 単為生殖により繁殖可能である(表2)。
  3. 粒剤の土壌混和処理は、ダイアジノン粒剤(6kg/10a)の効果が高い。
  4. 生育期の幼虫に対しては、MEP乳剤、PAP乳剤、ダイアジノン水和剤、ジメトエート水和剤、メソミル水和剤、BPMC乳剤、イミダクロプリド水和剤、カルタップ水溶剤の効果が高い(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. ここで示した農薬は、ホウレンソウの他の害虫では農薬取締法に基づき登録されているが、ヒメクロユスリカには登録されていない(平成16年3月現在)。そのため、試験研究以外には使用できない。
[具体的データ]






[その他]
研究課題名ヒメクロユスリカの生態と防除
予算区分単県
研究期間2000~2003年度
研究担当者和泉勝憲、河村俊和、岩本哲弥

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