[成果情報名]

シソ青枯病の刈取機による二次伝染と感染後の青枯病菌の動態

[要約] シソ栽培において、刈取機で先端部を収穫することにより青枯病が二次伝染する。二次伝染による発病は、刈刃の中央部に近い位置で青枯病発病株を刈取った場合に多く、刈取時の葉の濡れによりさらに助長される。また、感染後の青枯病菌の赤シソ内での下部への進展速度は非常に早く、増殖も早い。
[キーワード]赤シソ、青枯病、二次伝染
[担当]愛媛農試・生産環境室
[連絡先]電話089-993-2020、電子メールshinozaki-tsuyoshi@pref.ehime.jp
[区分]近畿中国四国農業・生産環境(病害虫)
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 赤シソ栽培において青枯病は重要な病害であり、特に刈取機による青枯病の二次伝染による被害は甚大であり、本県の栽培農家ではその対策に苦慮している。そこで、今後の防除対策を確立するため、刈取時の条件の違いによる発病差や二次伝染助長要因、感染後の青枯病菌の赤シソ内での進展速度や増殖経過を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 刈取機で青枯病発病株を一株刈ると刈刃が青枯病菌に汚染され、その後の刈取により二次伝染株は急増する(図1)。
  2. 二次伝染による発病は、刈刃の中央部に近い位置で青枯病発病株を刈取ると多くなり、 葉が濡れている状況での刈取でさらに助長される(図1)。
  3. 青枯病菌は、接種1分後には接種部位より5cm以上進展し、進展速度が非常に早い。
    また、接種5時間後までは、接種部位より10cm以内に留まる(表1)。
  4. 萎れ等の症状が見られない接種2~3日後の株でも、接種部位に近い腋芽では、既に 二次伝染が可能な状態となっている(表2)。
  5. 接種2日後には、赤シソ内で青枯病菌の増殖が認められ、接種株の萎れ症状が見られ始める接種5日後には、赤シソ内の菌濃度は10~109個/1cm切片と急激に増殖して高密度となる。また、全接種株が発病する接種7日後には、株全体がさらに高密度となる。根部においても青枯病菌の増殖がみられ、接種12日後には地上部と同程度の高密度となる(図2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 通常、赤シソの刈取は朝露のある早朝に行われており、二次伝染による発病を軽減させる方法として、刈取時間を遅らせる対策が有効である。
  2. 感染後、青枯病菌は直ちに赤シソ内部に進展することから、感染後の防除対策は困難である。
  3. 刈刃を常に殺菌できるように刈取機を改良し、二次伝染防止技術を開発する必要がある。

[具体的データ]




[その他]
研究課題名シソ青枯病防除技術開発試験
予算区分県単
研究期間2001~2004年度
研究担当者篠﨑 毅、村上要三、奈尾雅浩
発表論文等篠﨑ら(2003)四国植物防疫研究 38:64(講要)

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