[成果情報名]

ニホンザルの嗜好性を考慮した猿害に強い農作物の選定

[要約] タカノツメ、コンニャク、クワイ、ピ-マン、サトイモ、ショウガ、シュンギク、ミント、バジルは、飼育ニホンザルに対する嗜好性が極めて低く、野生ニホンザルに対しても被害を受けにくい農作物として選定できる。
[キーワード]サル、嗜好性、被害を受けにくい農作物
[担当]滋賀県農総セ・農試・湖北分場
[連絡先]電話0749‐82‐2079、電子メ-ルga38@pref.shiga.jp
[区分]近畿中国四国農業・生産環境(鳥獣害)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 近年、野生ニホンザルによる被害を受けにくい農作物が、各地の調査により明らかにされつつある。しかし、それらの品目は、ニホンザル集団の性質や地域の環境条件等により異なることが知られている。一方、飼育ニホンザルでは味覚に関する研究が行われてきたが、各種農作物に対する嗜好性についての報告はほとんどない。そこで、現地試験において野生ニホンザルの被害がなかった品目について、飼育ニホンザルを対象とした採食試験を行い、各品目に対する嗜好性を検討し、猿害を受けにくい農作物の選定の基礎資料を得る。

[成果の内容・特徴]

  1. 地試験において、果菜類ではピ-マン類、トウガラシ類等6品目、根菜類ではゴボウ、コンニャク、クワイ等8品目、茎葉菜類ではシュンギク、ハ-ブ類等49品目の計63品目は、年次、集団にかかわらず野生ニホンザルの被害を受けていない(表1)。
  2. 現地試験において被害の認められなかった品目の内、コンニャク、タカノツメ、クワイ、ピ-マン、ショウガ、サトイモ、シュンギク、ミント、バジルは、飼育ニホンザルでは年齢や採食経験にかかわらず残存率が極めて高い(表2)。
  3. コンニャク、タカノツメ、クワイは、飼育ニホンザルでは最初の試食ではほとんど吐き出し、2回目でもほとんど採食しない(表3)。
  4. 以上の結果より、コンニャク、タカノツメ、クワイは飼育ニホンザルでは極めて嗜好性が低く、ピ-マン、ショウガ、サトイモ、シュンギク、ミント、バジルもそれら3品目に次いで嗜好性が低いことから、これら9品目は飼育ニホンザルにおける非嗜好性作物と考えられ、野生ニホンザルに対しても被害を受けにくい農作物として選定できる。

[成果の活用面・留意点]

  1. コンニャク、タカノツメは野生ニホンザルの被害を受けている地域ならどこにでも、猿害回避作物として作付けできる可能性が高い。
[具体的データ]






[その他]
研究課題名琵琶湖周山系の獣害多発地域における農作物被害防止技術の確立
予算区分国庫(一部、京都大学霊長類研究所共同利用研究を活用)
研究期間2000~2003年度
研究担当者山中成元、常喜弘充、室山泰之(京大霊長研)

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