[成果情報名]

野生ニホンザル用及び野生イノシシ用の学術捕獲檻

[要約] 野生ニホンザル及び野生イノシシの学術捕獲檻を開発した。これらの檻を使うことで野生のサルやイノシシを容易に保定し、麻酔や電波発信機の装着を迅速に行うことができる。
[キーワード]ニホンザル、イノシシ、学術捕獲、檻、保定
[担当]滋賀県農総セ・農試・湖北分場
[連絡先]電話0749‐82‐2079、電子メ-ルga38@pref.shiga.jp
[区分]近畿中国四国農業・生産環境(鳥獣害)
[分類]科学・普及

[背景・ねらい]
 野生ニホンザルや野生イノシシの生態調査は、檻で捕獲後、動かないように保定してから発信器を装着し放獣するのが一般的である。しかし、従来の檻では、捕獲されたサルやイノシシは檻内で興奮し暴れるため、麻酔や四脚の保定には労力を要するとともに、動物にも過重な負担をかけることが問題となっている。
 そこで、捕獲後、保定作業を容易に行うことができるサルおよびイノシシ用の学術捕獲檻を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. サル捕獲檻は3cmの等辺山形鋼(厚さ3mm)にワイヤ-メッシュ(目合い5cm、線径3.2mm)を溶接し、幅50cm、奥行き100cm、高さ60cm、イノシシ捕獲檻は5cmの等辺山形鋼に鉄筋(目合い10cm、直径10mm)を溶接し、幅70cm、奥行き150cm、高さ70cmの構造となっている(図1)。
  2. サル捕獲檻は、ワイヤ-の付いた仕切りを奥から15cmの天井部に装着し、サル捕獲後、ワイヤ-を引っ張ることで仕切が落ちてサルが動き回れる空間が狭まることにより、サルの動きが抑制でき麻酔作業を行いやすい(図3)。
  3. イノシシ捕獲檻は、水平に開閉するようにした中扉を檻中央部に取り付け、イノシシ捕獲後、鉄パイプを挿入しながら徐々に中扉を開き、イノシシが動き回れる空間を狭めていくことにより、容易にイノシシを保定できる(図4)。

    以上の結果より、本捕獲檻を使用することで野生ニホンザルや野生イノシシを捕獲後、容易に保定し、麻酔や発信器装着を行うことができる。

[成果の活用面・留意点]

  1. サルやイノシシの大きさに応じて仕切りを調節すれば、どんな大きさの個体でも安全で迅速に対応できる。
  2. サル捕獲檻は学術捕獲用以外にも、発信器を装着して被害対策を行う場合に活用できる。
  3. 材料費はサル捕獲檻が約2,000円、イノシシ 檻が約1万円であり、低コストで自作できる。

[具体的データ]




[その他]
研究課題名琵琶湖周山系の獣害多発地域における農作物被害防止技術の確
予算区分国庫
研究期間2002~2003年度
研究担当者上田栄一、常喜弘充、山中成元

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