[成果情報名]

低騒音白ネギ皮剥機

[要約] 送気ノズルより吐出される高速気流を効率よくネギに当てるとともに、これまで音漏れの多かった投入口の空隙を制限する送気装置を考案し、作業者の耳元騒音を従来機よりも約5dB低下できる低騒音白ネギ皮剥機を開発した。
[キーワード] 白ネギ、低騒音、調製、皮剥機
[担当] 鳥取県農業試験場・経営技術研究室
[連絡先] 0857-53-0721、mitanisei@pref.tottori.jp
[区分] 近畿中国四国農業・作業技術
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 本県で白ネギの調製作業に使用されている皮剥機は、エアコンプレッサの圧搾空気を吐出して不要な皮を剥ぎ取るタイプのものである。皮剥ぎ時の作業騒音は耳元で90dBを超えることから、騒音下での長時間作業はつらく、数ヶ月間にわたる作業により難聴になるなど低騒音化への要望が強い。
そこで、低騒音化を実現するため送気ノズルの形状等根本的な構造の見直しを検討し、新型の皮剥機を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. この皮剥機は従来機では剥き出しであった送気ノズルを内蔵するU字型の送気ヘッドとヘッドを設置するための風洞部前壁を持つ(図1)。送気ノズルは、送気ヘッドネギ投入位置の左上、左、下、右、右上の5カ所に高速気流が効率よく下流側へ吐出されるように配置されている(図1)。
  2. U字型送気ヘッドと前壁によりこれまで音漏れの多かったノズル下部及び周  囲の空隙を制限できるとともに、投入口の上方に透明なアクリル製のカバーを設けることにより投入口の大きさを制限しながら視界が維持できる(図1表1)。
  3. 投入口前方に負圧が生じるため、不要な葉も風洞に送り込まれ易く、茎汁、泥などの作業者側への飛散も少なくなる。
  4. 作業時の作業者の耳元位置での騒音は、開発機の投入口径が70mmのとき従来機の防音カバー無しに比べ5~6dB、防音カバー有りに比べ4~5dB低くなる(表2)。
  5. 皮剥ぎ作業の能率は、防音カバーが自動開閉式の場合は従来機の防音カバー有り無し両条件に比べ劣るが、固定式の場合従来機の防音カバー有りよりも優る(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 皮剥機の手前側及び上部の防音カバーは、自動開閉式か固定式のいずれが市販機に採用されるか未定である。また、投入口の大きさは騒音低下程度と作業性保持を考慮すると70×70mm程度が適当であると思われる。
  2. 作業騒音(表2内の記載数字dB)は、秋冬どりで根葉切り調製後の品種「吉蔵」を供試した結果であり、根葉切りの程度や調製時期、品種によって若干異なる可能性がある。
  3. 従来の皮剥機の皮剥ぎ動作と、開発機の動作とはやや異なるので、更新時等の導入では慣れが必要である。


[その他]
研究課題名 重粘土地域における複年輪換畑ネギの省力・低コスト生産体系の確立
予算区分 国補(地域基幹農業技術体系化促進研究)
研究期間 1999~2003年度
研究担当者 三谷誠次郎
発表論文等 特願2002-353634「葱の皮剥機における送気装置」

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