[成果情報名]

コンバインベーラによる稲発酵粗飼料用イネの効率的な収穫作業体系

[要約] 出穂期の異なる「ホシアオバ」及び「クサノホシ」の栽培において、6人組作業によるコンバインベーラ体系により23haの収穫作業が可能となり、既存のミニロールベーラ体系に比べ、作業能率が87%向上し、生産コストも20%削減できる。
[キーワード] イネ発酵粗飼料用イネ、ホシアオバ、クサノホシ、収穫適期、コンバインベーラ
[担当] 山口農試・栽培技術部・作物栽培グループ
[連絡先] 083-927-0211 E-mail:kuwahara.keiri@pref.yamaguchi.lg.jp
[区分] 近畿中国四国農業・作業技術、畜産草地
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 中山間地域において、水田農業の構造改革の加速化と飼料自給率の向上を図るため、耕畜連携による水田を活用した稲発酵粗飼料用イネ栽培の定着化が求められている。そのため、耐倒伏性、耐病虫性及び収量性に優れ、稲発酵粗飼料用イネとして有望な「ホシアオバ」及び「クサノホシ」を用い、良質なサイレージが得られる収穫適期及びコンバインベーラを基幹とする収穫作業体系の導入効果について検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 「ホシアオバ」及び「クサノホシ」の稲体水分含有率は、出穂後25日頃に良質なサイレージ発酵の目安とされる65%以下まで低下し、コンバインベーラによるダイレクトカットでの収穫が可能となる(図1)。
  2. 乾物重、TDN収量は、穂重の増加により出穂後40日頃まで増加する(図1)。
    出穂後45日以降ではサイレージの品質低下がみられるため、両品種とも出穂後25~40日頃が収穫適期で、約15日間の収穫期間が確保できる。
  3. コンバインベーラ体系では、刈取→反転・集草→梱包の3作業を1工程で行い、ベールのハンドリングはベールグリッパで行うなど、省力軽作業化に優れ、既存の慣行体系に比べて作業能率で87%の省力化が可能であり、生産費も32%削減できる(表1図3)。また、刈取時の泥土の混入による品質低下もほとんど発生しなかった。
  4. コンバインベーラ組作業は6人又は2人組作業が可能である。6人組作業では、作業時間は4.9時間/haで、実作業率を考慮すると製品の引き渡しを含め1ha/1日の収穫作業が可能である。このことから、6人組作業は、多人数のオペレーターを確保できる耕種組織等が収穫作業までを担う場合に有効である。
    また、2人組作業では、作業時間は7.2 時間/haで、少人数のオペレータしか確保できない個別畜産農家等での作業体系に適する(表1)。
  5. 6人組作業による収穫作業体系で、極早生品種「ホシアオバ」、中生品種「クサノホシ」の組み合わせにより、収穫期間が30日程度確保できることから、作業可能日数率を考慮すると23ha程度の作業が可能である(図4)。 

[成果の活用面・留意点]

  1. 「ホシアオバ」は基本栄養生長性が大きく、6月上旬播種では、「クサノホシ」との出穂期の差が小さくなり、品種による収穫作業期間の拡大が図られない。
  2. 稲発酵粗飼料用イネの機械収穫適期は、出穂後の気温により変動する。
  3. コンバインベーラ体系は、水系毎に団地化された1区画15~50aのほ場整備田で適応できる。また、ベール重量が200kgとなることから、受け入れ側は、飼養頭数及びベールグリッパ等の機械装備の有無を考慮する。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 中山間における畜産と連携した省力・環境負荷軽減型水稲栽培体系の現地実証と経営評価(2)飼料用イネ栽培の現地実証
予算区分 地域基幹
研究期間 1999~2003年度
研究担当者 桑原恵利、中司祐典、池尻明彦、白石一剛
発表論文等 山口県農業試験場研究報告(掲載予定)

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