[成果情報名]

消費者満足度による農産物直売所の評価と質的改善項目

[要約] 農産物直売所の利用客は、スーパーマーケットと比較して『直売所の方が優れている』と評価する。それは「鮮度」、「価格」、「安全性」、「味」といった商品特性に関する項目への評価が高いためである。一方、CSポートフォリオ分析により「見た目」、「陳列」、「品揃え」、「内装」、「駐車場」が今後の重点改善項目として抽出された。
[キーワード] 農産物直売所、総合評価、満足度、CSポートフォリオ分析
[担当] 岡山農総セ・農業試験場・経営研究室
[連絡先] 0869‐55‐0546 電子メール mitsuru_kogawa@pref.okayama.jp
[区分] 近畿中国四国農業・農業経営
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
岡山県下の農産物直売所は現在も毎年増加している。しかし、対前年増加率は平成12年28.7%、15年4.0%と下降しており、飽和状態になりつつある。今後は販売品目が共通する商業店舗との集客競争の激化が予想されるため、商業店舗との比較を行い、直売所の質的な改善を図る必要がある。そこで、利用客のアンケート調査から、直売所に対する評価および緊急に改善を要する項目を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 普段利用しているスーパーマーケットとの比較に基づく総合評価は、71.3%の者が『直売所の方が優れている』と回答している。総合評価の構成要素として商品特性の6項目、施設特性の7項目に分けて比較すると、13項目全てにおいて概ね『直売所の方が優れている』と回答している(図1)。
  2. 総合評価を上回って『直売所の方が優れている』と回答した項目は「鮮度」、「価格」、「安全性」、「味」の4項目に集中し、商品特性に関する項目への評価が高い。これらの項目は、いわばスーパーよりも直売所の方が優位にある「核(コア)項目」である。一方、他の9項目は、『直売所の方が優れている』と回答する者が過半でありながらも、総合評価を下回っている(図1)。
  3. 「4つの核(コア)項目」以外の9項目が、総合評価より劣る項目であり、将来において緊急な改善を要するかどうかを判定するために、CSポートフォリオ分析を適用する。満足率と貢献率を軸とした4つの象限は、Ⅰ重点維持、Ⅱ維持、Ⅲ改善、Ⅳ重点改善を意味する。「核(コア)項目」は全て重点維持ないし維持に位置する。総合評価を下回る項目の内、「見た目」、「陳列」、「品揃え」、「内装」、「駐車場」の5項目が重点改善の象限に位置する。これら5項目は、たとえ『直売所の方が優れている』と回答する者が過半であっても、直売所の質的な改善を要する項目である。また、貢献率の値の高い順に改善していくことが、利用客の評価をスーパーマーケットよりも高めるうえで有効であると考えられる(図2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. この分析は3ヶ所の直売所の利用客全部を含めた結果であり、それぞれの直売所で評価すれば、評価項目のプロットする位置は変わってくる。そのため、直売所ごとに改善項目及び順位も変化する。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 直売所の商圏分析と消費者行動の解明
予算区分 県単
研究期間 2003~2005年度
研究担当者 古川 満

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