[成果情報名]

地方自治体における「地産地消」推進施策の展開

[要約] 最近ではほとんどの地方自治体が地産地消推進施策を実施しているが、主な取組内容は、普及・啓発活動、地場流通支援、外食・加工業や学校給食での地場産品利用促進、地場産品の表示・認証制度、消費支援組織の形成、地元出荷への奨励制度である。
[キーワード] 地産地消、地方自治体、都道府県、政令指定都市、行政施策
[担当] 大阪食とみどり技セ・都市農業部・都市園芸グループ
[連絡先] 電話0729-58-6551、電子メールnaito@afr.pref.osaka.jp
[区分] 近畿中国四国農業・農業経営
[分類] 行政・参考

[背景・ねらい]
 近年、地産地消を推進する活動が各地で行われるようになっており、これに呼応して多くの地方自治体が地産地消の推進を図るための施策を展開するようになっている。そこで、2003年1~3月に全国の都道府県及び政令指定都市の農林水産部局に対して実施したアンケート及びヒアリング調査に基づいて、自治体が実施する地産地消の推進施策の展開と現状の取組内容を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 都道府県及び政令指定都市における地産地消推進施策の実施状況をみると、大半が農業団体等と連携して実施している。また、地産地消推進組織の設置状況をみると、行政と生産者だけでなく、消費者や流通・加工・小売業者、教育関係者等を構成員とする自治体が多く、共通認識や相互理解を醸成し、多方面で地産地消を推進しようとする意図が見受けられる(表1)。
  2. 地産地消推進に向けた取組の内容は、1)普及・啓発・広報・PR活動、2)地場流通の支援、3)外食・加工業者の地場産品利用促進、4)学校給食での地場産品利用促進、5)地場産品の表示・認証制度、6)消費支援組織の形成、7)地元出荷への奨励制度に大別できる。表2よりこれらの取組内容をみると、1)総合的に多様な施策を展開する自治体が多くなっているが、都道府県においてそれがより顕著であること、2)政令指定都市では外食・加工業者の地場産農産物の利用促進や消費者支援組織の形成に関する取組が少ないこと、3)都道府県では独自の特別栽培農産物認証制度やEマーク食品認証制度を実施するところが多い一方、政令指定都市では地場産農産物の表示制度や地元出荷に対する奨励制度を実施するところが多いことなどが特徴である。
  3. 地産地消の推進に先進的に取り組んでいる埼玉県では地産地消に関わる各種情報の受発信や生産者、流通業者、消費者等を結びつけるコーディネート、施設整備等のハード面、流通システム整備等のソフト面を含めた地産地消の仕組みづくりの支援などを実施している。なかでも早くから直売所の整備など地産地消の推進に向けた多様な流通ルートの整備に着手している点が注目される(表3)。その効果もあり、農産物有人直売所における販売額は1990年の46億円から2000年の165億円へと大幅な伸びを示している。また、1998年からは市場流通を活用した新たな地場野菜流通の整備についても取り組んでおり、協議会活動を通じて市場関係者や生産者、小売業者等の理解促進につながっている。

[成果の活用面・留意点]

  1. 地方自治体が地産地消推進施策を立案・実施する際の資料として活用できる。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 青果物の地産地消システムの構築に関する実証的研究
予算区分 園芸振興松島財団研究奨励金
研究期間 2002~2003年度
研究担当者 内藤重之
発表論文等 内藤・藤田・梶浦(2003)日本農業市場学会報告要旨:21

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