[成果情報名]

イチゴ「さちのか」の空中採苗による挿し芽育苗技術

[要約] 本技術は、高設親株から発生するランナーの本葉1~3枚の子苗を6月下旬~7月上旬に採苗し、イチゴ専用培土を詰めた小型成型ポットに挿し、その後、ミニパイプハウスを利用した簡易な雨よけ育苗を行う方法であり、省力的で、病害にも罹病しにくい。
[キーワード] イチゴ、さちのか、育苗、挿し芽、ミニパイプハウス
[担当] 徳島農研・栽培育種担当
[連絡先] 電話088-674-1660、電子メールbandou_kazuhiro_1@pref.tokushima.lg.jp
[区分] 近畿中国四国農業・野菜
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]
近年、イチゴ栽培は高設栽培が全国的に普及し始めており、栽培の省力化が図られつつある。しかし、育苗については5月から9月までの長期間、毎日、ランナー受け、灌水、施肥といった作業をする必要があり、生産者には大きな負担となっている。また、育苗時の病害の蔓延も大きな問題となっている。そこで、育苗の省力化、安定化を目的に空中採苗による挿し芽育苗法を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. 簡易挿し芽育苗施設:本県特産のトンネルニンジンに使用されているミニパイプハウス(間口3m、高さ1.7m)に雨よけ状態にビニルを被覆し、ハウス内に幅90cmの育苗台を鉄パイプで設置する。灌水はタイマー付き電磁弁で灌水ノズルにより自動灌水する(図1)。施設費は8,000株育苗規模で約30万円である。
    この施設を利用した挿し芽の養生は挿し芽後約10日は50%遮光資材を雨よけビニルの上に被覆し頭上灌水を1回当たり3分、1日に6~8回行う。活着後は遮光を除き、灌水を1回当たり5分、1日に3~5回行う。
  2. 空中採苗による挿し芽育苗技術:
    1)挿し芽用の小苗は未発根の本葉1枚から3枚程度までが適し(データ省略)、挿し芽の時期は6月下旬~7月上旬に行う(データ省略)。
    2)育苗用の小型成型ポットは生育、収量、省スペース性から1株培地容量175ml、苗密度134株/m2の24穴小型成型ポットが適当である(写真1、データ省略)。また育苗培土はC社製のイチゴ専用培土が最も適する(図2)。
  3. 本育苗技術は慣行のランナー受けポット育苗と比較して、早期からの収量性が高く(図3)、省力、省スペースである。また、現地実証試験の結果から、本育苗では根が健全で病害の発生も全く見られなかった(データ省略)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 育苗中の肥培管理は6月下旬に挿し芽する場合、活着後、株当たりN70mg程度の置き肥を施用し、7月上旬の挿し芽については活着後、8月上旬までにN200ppm程度の液肥を2~3回施用する。
  2. 台風対策は被覆資材をはずし、苗を寒冷紗で育苗台ごと包み固定する。台風通過後、速やかに寒冷紗を除き、殺菌剤を散布する。
  3. 親株は炭疽病に罹病していない健全株を用いる。

[具体的データ]



[その他]
研究課題名 栄養体利用などによる画期的野菜育苗技術の開発
予算区分 国庫助成(新技術)
研究期間 2002~2003年度
研究担当者 板東一宏

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