[成果情報名]

イチゴの高設株据置栽培における窒素中断とランナー除去の効果と省力化

[要約] イチゴの高設栽培で、収穫を打ち切った生産株をそのまま栽培床に据え置き、次作の生産株として利用する株据置栽培では、5月上旬に窒素中断を開始し、ランナーを除去することで早期多収となる。窒素中断期間に要する労働時間は慣行の約半分となる。
[キーワード] イチゴ、高設栽培、株据置栽培、窒素中断、省力化
[担当] 広島農技セ・野菜栽培研究部
[連絡先] 電話0824-29-3066、電子メールngcyasai@pref.hiroshima.jp
[区分] 近畿中国四国農業・野菜、作業技術
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
慣行のイチゴ栽培では、収穫終了後に生産株の抜き取る作業や次作の生産株を確保するための育苗作業を行っており,これら作業を省力化する要望は高い。そこで、高設栽培において、イチゴ生産株をそのまま栽培床に据え置いて多年利用する「イチゴ株据置栽培」の窒素中断とランナー除去の効果並びに労働時間について検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 本技術は、イチゴ生産株を収穫終了後も栽培床に据え置いて次作の生産株として利用する。収穫終了時に液肥による施肥を中断し(窒素中断)、花芽分化期までかん水のみを行うことで花芽分化を促進する。花芽分化確認後は、施肥を開始する(図1)。
  2. 窒素中断を5月上旬に開始することで、慣行の育苗より早期に花芽が分化し、開花収穫開始も早まり、年内の収量は増加する(表1図2)。
  3. 窒素中断期間でのランナーの放任は、1月と2月の収量がほとんど無くなる(図3)。
  4. 株据置栽培での窒素中断期間中の栽培管理(腋芽整理2回,ランナー除去および葉かぎ2回)に要する作業時間は227時間/10aであり、慣行の同期間に要する作業時間696時間/10a(収穫終了後の株の抜き取り、育苗管理および定植作業)の33%である。

[成果の活用面・留意点]

  1. 広島型高設栽培で品種「レッドパール」を用いた結果である。
  2. 窒素中断期間の株管理につて、腋芽整理法を現在検討中である。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 企業的野菜専作農家育成のためのイチゴ育苗の省力化
予算区分 国補
研究期間 2002~2003年
研究担当者 伊藤栄治、岡田牧恵、田原由恵
発表論文等 1)伊藤・岡田・今井(2003)園学雑.72(別2):393
2)特願2003-343150、「イチゴの株据置栽培方法」

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