[成果情報名]

根域制限ポットによる高設栽培システム(山口農試方式)での育苗法

[要約] イチゴ育苗において、ポリポットの底に防根透水シートを貼り付けて根域制限することで、高設栽培システム上で育苗しても窒素中断が安定的に可能となり、年内の収穫量が確保できる。また、立ち姿勢での育苗管理が可能となるとともに育苗施設等の経費が削減できる。
[キーワード] イチゴ、高設栽培、育苗、根域制限、低コスト
[担当] 山口農試・栽培技術部・園芸栽培グループ
[連絡先] 電話083-927-0211、電子メールnaitou.masahiro@pref.yamaguchi.lg.jp
[区分] 近畿中国四国農業・野菜
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
イチゴ栽培では、収穫、管理作業の軽労化を目的として、高設栽培システムの導入が積極的に行われている。しかし、夏期は有効利用されておらず、育苗では別システムが必要であるなど、低コストで対応可能な育苗体系は確立されていない。そこで、高設栽培システムを活用した低コスト、省力型の育苗体系を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. 高設栽培床に直接苗を定植すると、窒素栄養制御が困難となり、慣行に比べて花芽分化が遅れ、年内収量が1割程度となるが(表1)、育苗ポットに根域制限機能を持たせることにより、従来のポット育苗と同様の窒素中断が可能となり、高設栽培システムを育苗施設として活用できる。
  2. 9cmポリポット底面の穴に防根透水シートを張り付け、育苗ポットとして用いる。このポットに採苗後、高設栽培床に定植と同じ間隔でポットごと埋め込んで育苗する(図1)。この埋め込んだ穴は定植の際そのまま活用できる。
  3. この方法では、従来のポット育苗・窒素中断技術が活用でき、慣行育苗と同等の苗質となる(表2)。花芽分化確認後ポットを除去して定植することにより、年内収量を1t/10a程度確保することができる(表3)。
  4. 既存の高設栽培施設を活用するため苗床が不要で、しかも新たな設備投資も必要とせず、立ち姿勢での苗管理が可能となる。
  5. 各ポットへの潅水は栽培用に設置している給液システムが利用でき、潅水労力が大幅に削減できる。
  6. 定植時には、苗の運搬、植穴掘りなどが省け短時間での定植が可能となる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 潅水チューブがポット上から外れないように、部分的に固定することと、チューブの伸縮による吐水口のズレを防止するため、最後部を固定しておく必要がある。
  2. 育苗中はハウス内が高温となるので、花芽分化を促進させるため通風を良くするとともに遮光資材で被覆する。

[具体的データ]

 


[その他]
研究課題名 イチゴ超省力採苗技術の確立
予算区分 県単
研究期間 2001~2003年度
研究担当者 内藤雅浩、刀祢茂弘、重藤祐司、茗荷谷紀文、沖本宏昭

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