[成果情報名]

排液量対応型養液循環利用システム

[要約] 本システムは、バラの養液栽培において、作物の利用量に応じて養液を循環給液 する装置である。排液量を自動計測し、排液量に応じて次回の給液量を調節するので、 効率的な施肥ができる。一般的なかけ流し管理より30%以上給液量の削減が可能になる。
[キーワード] バラ、養液栽培、施肥節減、養液循環、少量土壌培地耕、環境負荷軽減 
[担当] 滋賀農総セ・農試・花き果樹分場・花き担当
[連絡先] 電話077-558-0221、電子メールga37@pref.shiga.jp
[区分] 近畿中国四国農業・花き
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 バラの養液栽培では、20%程度が余剰液として排出されるように給液量を設定するのが一般的である。多くの場合、排液はかけ流し管理され、環境への負荷が懸念される。
 また、養液は、季節ごとに1日あたりの回数および1回あたりの時間を設定し、タイマー制御により毎日一定量給液するのが一般的である。しかし、一定の給液量では、曇雨天時や低温期、収穫後期などの生育量が少ない時には排液量が増加し、肥料は効率的に利用されているとはいえない。
 そこで、培養液を循環給液するとともに、天候やバラの生育量に応じて給液量を調節できる装置により、効率的かつ環境に負荷を与えない施肥管理法を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. 培養液循環利用システムは、給液ごとに排液を回収し、次回給液時に新液を足して給液する方式で、かけ流し管理より20%程度の施肥量を節減できる。
  2. 排液量対応型給液システムは、排液量に応じて次回の給液量を自動的に調節する機能を有する。具体的には、基準排液量を設定し、給液ごとに排液量を自動計測して、基準設定量より多い時には次回給液量を減らし、また、基準設定量より少ない時には次回給液量を増やす。このため、作物の養液吸収量に応じた施肥ができる。
  3. 2の装置を1の循環利用システムに組み込んで、排液量対応型養液循環利用システムを開発した(図1)。バラの少量土壌培地耕において、本システムにより管理すると、生育盛期では、かけ流し管理より32%程度の施肥量を節減できる(表1)。
  4. バラの少量土壌培地耕において、本システムは、かけ流し管理以上に高い収量と品質が得られる(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本システムは、バラおよびトルコギキョウの少量土壌培地耕において栽培試験を実施しており、ロックウール耕における生産性については未確認(試験中)である。
  2. 次回給液量の指示は、排液量検知センサーの増設により多段階に設定でき、さらに肥料の利用効率を高めることができる。
  3. 本システムは、電子部品を使わないので、低価格で製作でき故障しにくい。
  4. 養液の循環利用が困難な品目では、排液量対応給液装置の単独利用もできる。
  5. 本システムは、特許申請手続き中である。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 少量土壌培地耕の循環式養液管理システムの確立
予算区分 県単
研究期間 2001~2003年度
研究担当者 臼居仁司

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