[成果情報名]

バラの循環型養液栽培における給液方式及び培養液管理法

[要約] バラの循環型養液栽培における給液方式は、排液独立循環方式が優れる。開発したシステムは、補充培養液の濃度を冬期EC1.1dSm-1、夏期EC0.9dSm-1とし、培養液を15日毎に更新することでかけ流し式とほぼ同等の収量が見込める。
[キーワード] バラ、環境保全、循環型養液栽培
[担当] 和歌山県農林水産総合技術センター 暖地園芸センター・園芸部
[連絡先] 電話 0738-23-4005、電子メール itou_y0003@pref.wakayama.lg.jp
[区分] 近畿中国四国農業・花き
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 養液栽培は土耕栽培に比べて省力的で高度な肥培管理システムが可能で、高品質・安定生産が見込めるが、既存のシステムでは施設費やランニングコストが甚大であることに加え、使用済み培地の処理および大量の排液による環境負荷が指摘されている。このため、バラの低コスト循環型システムを開発し、かけ流し式と同等以上の収量、品質が得られる養液栽培技術を確立する。

[成果の内容・特徴]

  1. 開発したシステムは、排液タンクに回収された排液を独立した給液ラインで再度循環給液し、1日あたりに消費された養水分を既設の給液装置から培地に給液する排液独立循環方式である。(図 1)。
  2. 改良オランダ循環処方(表 1)を用いた循環給液と愛知園研バラ処方を用いたかけ流し式を比較すると、循環方式の 1株当たりの収量は、排液独立循環が23%、培養液補充循環が28%減収する。また、循環給液方式では、かけ流し式に比較して切り花長が短く、重くなるが、商品性には影響しない(表2)。
  3. 排液独立循環方式の養液栽培システムでは、補充培養液濃度を冬期EC1.1dSm-1、夏期0.9ECdSm-1とし、培養液を15日毎に更新することで、かけ流し式とほぼ同等の収量を得られる(表 3)。
  4. 補充培養液の濃度が夏期EC0.9dSm-1では、 6月中旬以降培地内の培養液濃度が急激に上昇する。一方、EC0.5dSm-1ではかけ流し式より濃度は低く推移し、収量が低下する(図2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 既設のロックウール培地を利用したかけ流し式から容易に転換が可能である。
  2. 本成果は、「ローテローゼ」の挿し木苗をロックウールマット(縦90cm×横20cm×厚7.5cm)に10株 1条植えとし、樹形はアーチング仕立てである。
  3. 培養液を30日毎に更新すると15日毎に更新するより減収する。

[具体的データ]






[その他]
研究課題名 環境に配慮した養液栽培システムによる花きの高品質安定生産技術開発
予算区分 新技術
研究期間 2001~2003年度
研究担当者 伊藤吉成、上山茂文、里村博輝、上島良純

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