[成果情報名]

秋ギク「神馬」の2~4月出荷作型における開花遅延の軽減

[要約] 秋ギク「神馬」の2~4月出荷作型における開花遅延は、穂冷蔵や電照打ち切り前の温度による単独あるいは相乗作用によって、幼若性が獲得、強化されることが原因であるが、穂冷蔵を行っても定植後から最低温度を15℃に高めることで軽減できる。
[キーワード] 秋ギク、開花遅延、穂冷蔵、最低温度、幼若性
[担当] 広島農技セ・花き栽培研究部
[連絡先] 電話0824-29-3067、電子メールngckaki@pref.hiroshima.jp
[区分] 近畿中国四国農業・花き
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]
 秋ギク「神馬」の2~4月出荷作型では、電照打ち切り後の温度を高めても開花時期が著しく遅れることがあり、その原因として幼若性の関与が考えられる。そこで、穂冷蔵の有無と定植後の最低温度の違いが幼若性に及ぼす影響を検討し、開花遅延の原因および軽減対策を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 電照打ち切りから発らいまでの日数は、穂冷蔵を行うと増加する。また穂冷蔵の有無に関わらず、電照打ち切り前の最低温度を10℃とすると増加する(図1)。
  2. 発らいから開花までの日数は、いずれも25~29日であり、穂冷蔵の有無および電照打ち切り前後の温度による差は小さい。穂冷蔵を行い、電照打ち切り前の最低温度を10℃、電照打ち切り後を15℃とした区(以下、有・10・15区)では、電照打ち切り後74日を経過しても開花に至らない(図1)。
  3. 開花日は、有・10・20区で最も遅くなり、最も早かった無・15・20区と比較して22日間開花が遅延する(表1)。
  4. 電照打ち切り後の節数の増加量は、穂冷蔵により、または電照打ち切り前の最低温度を10℃とすることにより多くなる。さらにこれらの処理を組み合わせると 51節となり、相乗作用がみられる(表1)。
  5. 以上の結果から、到花日数の増加は、電照打ち切り後の節数の増加とそれに伴う発らい日の遅れに起因するものであり、開花遅延は穂冷蔵および電照打ち切り前の最低温度による単独あるいは相乗作用によって、幼若性が獲得、強化されることが原因と考えられる。また開花遅延は、定植後から最低温度を15℃とすることで軽減できる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 3℃で40日間の穂冷蔵とした結果である。
  2. 穂冷蔵を行う場合でも、定植から電照打ち切りまでの温度を15℃に高め、その後を15~20℃とすることで開花遅延を5~12日程度に軽減できる。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 キクの産地を支援する品種転換に連動した生産技術の確立
予算区分 県単
研究期間 2001~2002年度
研究担当者 石倉 聡、藤田暁子
発表論文等 石倉・藤田(2003)園学中四支部研究発表要旨42:50.

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